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ちゃんと亜嵐くんと向き合うって決めたのに
玲於くんの優しさに負けてしまう自分がいる。
自分にちゃんとケリを付けなきゃ。
私の勝手な玲於くんに対しての想いだけど…
もう揺らがないって決めたから。
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病院に到着して
玲於くんを待ってる間、翔平に連絡をした。
あれから翔平からは1度も連絡がない。
思ったより、キッパリしていて
私の中でも少しビックリしていた。
実咲話があるので、時間を作って貰えますか?
LINEを送ってから…すぐ既読がついた。
翔平うん、いいよ。いつ?
実咲来週の水曜日のお昼とか平気?
翔平昼なら大丈夫!俺の会社の近くの喫茶店で
ちょうど…翔平の会社の近くに行く予定があったからタイミングが良かった。
家だとどうしても…怖くて
大事な話なのに…逃げてばかりでごめんね。って
考えるだけで…泣きそうになった。
その時…
?「すみません…病院の入口ってどこですか?」
へ?病院の入口目の前だけど…って
思いながら顔を上げると玲於くんだった。
ほんとタイミング悪く変な人だな…と思ってたから
玲於くんだとわかったら安心した。
いつもと雰囲気が違くて…
大人しめでカジュアルな服装で…
病院に来るために気を使ってくれた事もすぐわかった。
ありがと…玲於くん。
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無事診察も終わって…外に出た時だった。
玲於くんに着いてきてくれたお礼を伝えたら…
玲於「なにもなくてよかったな。けど、階段から落ちたって医者は言ってたけど…あれなに?」
まったく説明せずに…
診察も一緒にきてもらっちゃったから…。
先生に本当の理由を言えなかった事を説明したけど
玲於くんにとっては納得いく答えではなかったみたい。
玲於「そうだよな。実咲が優しいのは分かってるけど、そんな庇うとこ俺は見たくねーわ」
わかってる。だけど…
正直そんな言い方されたくなかった。
こんな短い期間でなにがわかるのって
心の中で思ってしまう自分がいて…
玲於にはわかんないよって…
言いたくもない言葉を吐いてしまった。
この後も一緒にいても、せっかく来てくれたけど
嫌な思いさせちゃうと思ったから
じゃあ、行くねと私から言って背を向けた。
タクシーに乗って玲於くんを見ると
立ちすくんだ姿があって…
正直…申し訳ない気持ちでいっぱいだった。
私のせいなのに…ほんとにごめんね。
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作者名:M | 作成日時:2018年10月22日 1時