手を差し伸べてくれたのはあなたでした。 (ページ43)

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実咲side

歩美とバイバイしてから、すぐ寝てしまっていた。

気づいた時には、もう次の日の朝で
土曜日だから翔平も家にいる。

「はぁ～…憂鬱」

どんな顔して会えばいいのかな。
何話せばいいかわかんないよ…。
ほんと会うの憂鬱だな～…なんて思ってた時

ーガチャ…

翔平「起きた…？おはよう」

「うん。おはよ」

翔平「こないだはホントにごめん。俺も歯止めが効かなくて、ここまで実咲に酷いことしてたんなんて気付かなくて…ホントにごめん。」

「…翔平…？なんであの時、あんなに怒ってたの…？」

翔平「…俺にもわからない。インスタを見て亜嵐とのやり取りを見たら…怒りを隠せなくてあそこまで怒っちゃったんだ…」

「そっか…翔平の事を気にせず、ストーリーに載っけちゃって…ごめんね。」

「もう…ほんとにファン辞めるから。」

翔平「実咲はほんとにそれでいいの？」

ほんとにそれでいいかなんてわかんないよ。
私にとってGENEは生き甲斐で…
ファンを辞めて2年経ってたけど…ライブに行ったら、やっぱり気持ちは戻ってしまった…。

けど、こんなに悲しい顔されて…
あんなに優しかった翔平が…ここまで変わってしまうくらいなら、私が我慢したほうがマシだよ。

「うん…大丈夫だよ。」

全然大丈夫じゃなんてないのに…
考えるだけで涙が出そうだよ。

正直、もう話したくなくて…

「もうちょっと寝てもいい…？ごめんね」

翔平「わかった。おやすみ」

私はすぐ布団にくるまって
翔平に気付かれないように大粒の涙を流した。