2BROには末者がいたようで？

俺の妹は不思議だ ページ14

俺の妹は不思議だ

そんなにある訳じゃねぇけど、他の人とは違う事を言ってくる時がある

『兄さん、これからお出掛けするの？』

「するけど、どした？」

『車で行く？』

「いや、使わないけど…」

溶けてしまいそうな程に眩しい空を見つめて何かを感じたようにその綺麗な瞳をそっと閉じてこう言う

『今日は雨が降るから、持って行った方がいいよ』

お天気お姉さんは今日一日中晴れだと言っていたがうちの妹はそれとは全く違う事を言いながら傘を差し出してきた

「でも天気予報は晴れだって…」

『そうだね』

いつも通りの可愛い笑顔を浮かべながら俺に傘を差し出し続けている
でも晴れてるし、荷物になるし…悩んでる事を察したのか何故か納得したような顔をし

『まぁ兄さんがいらないって言うならいいか。いってらっしゃい！』

準備は出来てるし、いってらっしゃいって言われたし行かない理由はねぇから俺は傘を持たずに出掛けた



お目当ての物を見つけ上機嫌でさぁ家に帰るかと決め込んだところ

ザァー…

降っている

出る時に空を見たが晴れていたし、天気予報だって晴れだと言っていた。だだ一つ違った事といえばうちの妹が言っていた『雨が降る』という事だけ

あ？なんであいつはそんな事言ったんだ？

頭の中が疑問だらけになりそうな時に可愛い声が飛び込んできた

なんでこの場所に？俺言ったか？

また疑問が増えた気がするが顔をそちらに向けると傘を一本さしながら楽しそうに歩いてくる俺の妹

『迎えに来たから一緒に帰ろ』

「なんでここにいんだ？」

『兄さんと一緒にいたかったからかな？』

笑いながら可愛い事を平気で言ってくるこの末っ子は俺の疑問を吹っ飛ばしまた迷宮入りにさせる
俺が考えてないだけか？
だけど、これはいくら考えても答えは出てくる気がしない

不思議だろ？俺の妹
理由を聞いても上手くかわされるし、そこまでたくさん言われてきたわけでもねぇし

自分の妹のはずなのにたまに分からなくなる

なぁ？お前は俺の妹で、今まで一緒に過ごしてきたよな？

『ん？どーしたのさそんな顔して、言いたい事でもあるの？男前が台無しだよ？』

笑いながら言われた

『兄さんの考えてること全部は分からないけどさ、私は兄さんのこと愛してるぜ』

「…おう、ありがとな」

……なんかどーでもよくなるよね
こんな綺麗な笑顔で俺のこと愛してるなんて恥ずかしげもなく素直に言ってくる

可愛い奴だよまったく…







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「俺も…愛してるよ」

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