【キ/ヨ】最近、幼馴染みが冷たくて【男主】 (ページ12)

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10話昔話キヨside ページ12

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＿＿＿高校時代。

玄関で靴を履き替えている見慣れた姿に声を掛ける。

キヨ「おはよ！A」

貴方「…」

返事はおろか、こっちを見てすらくれないまま素通りするAに肩を落とす。

キヨ「…今日もだめかぁ」

最近、幼馴染が冷たい。

そう思い始めたのは割と最近で、実際始まったのはもうちょっと前だったかもしれない。

最初は些細な事だった。
いつからか、俺といる時には笑顔も口数も少なくなって、悩み事があるのかなと聞いてみても言ってくれなかった。
でも俺は無理矢理に聞きたくはなかったから、A本人が悩みを打ち明けてくれるまで待っていようとした。

いつか言ってくれると思ってた。
だって俺は、Aの幼馴染だから。
…そんなしょうもない肩書きで慢心していたのが馬鹿だった。

その内、Aが俺から離れて他のやつの所に行くようになって、最終的には顔を合わせないようになっていった。

気付けばこんな状態だった。

くだらない事で笑い合っていた頃が懐かしい。
今じゃあ視線すら外されてしまう。
会話なんて出来たもんじゃなかった。

避けられてるんだ、俺は。

その結論に至るまでに時間は掛からなかった。

俺が声をかけようとすればAは他の奴に話し掛ける。俺とAは家が近いから前は一緒に学校行ってたのに、俺がAん家に迎えに行くともうAは先に行ってしまっていた。
昼飯に誘おうとすれば、Aは違う奴と楽しそうに笑いながら一緒に食っていた。

俺に向けられることは無くなったその笑顔が、酷く胸を苦しめた。
まるでぎゅう、と心臓を握り締めているみたいに。

(なんで？)

なんで俺を避けるの。
俺が何かしたのか。
俺と一緒にいるのが嫌になったの。

それとも何、

(俺のこと、嫌いにでもなった？)

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