黒 ノ 蝶

story35 ページ35

「なー大ちゃん。この気持ちってなんだろな。」


有「...それって“恋”じゃね？」







翌日俺の家に遊びにきていた大ちゃんにこの気持ちを話した。

Aの笑顔を見た日以来俺は
まともにあいつの顔を見れなくなっていた。
なぜなのかはわからない。

だから大ちゃんに相談をしたんだ。
相手が誰だかは教えてないけど。







.






「えっ、恋？！俺が？！えっ？！」








大ちゃんの回答に慌てる俺を見ながらジュースを飲んでる大ちゃん。

あくまでも他人で。
客観的に見ているんだろうな。

ちくしょう。涼しい顔しやがって。








有「恋しかなくね？
相手を見るとドキドキすんだろ？」


「する。」


有「胸がきゅ〜って締められる感じだろ？」


「う〜ん...そなの？」


有「そなの！だからお前はその子に恋をしてんだよ！」







大ちゃんはジュースのおかわりをコップに
注ぎながら「いや〜青春だね！」なんて呟く。
言ってることおっさんくさいぞ。

まあ、少し無理やりな気がするけど...
大ちゃんが言ったことも一理あるのかもしれない。





.






「ありがと、大ちゃん。俺、頑張ってみるよ。」


有「おう。俺も応援してるから。」









山田涼介、16歳。

所謂(いわゆる) 初恋 ってやつ、したみたいです。

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