孤独な少女と花言葉【ジョジョ5部】

19話 ページ21

攻撃を受けた彼女は、暫く何かを考えて、決意したかのように表情を変え、相手から距離を取るために走り出した。


その途端



｢いっ！………ひ……ぃ…った……｣



またもや、先程と同じように、彼女の足からカミソリが発生し、血が吹き出した。


そのまま彼女は勢いよく転び、倒れた。


本当であれば駆け寄って、助けてあげたい。


が、これはリプレイ。過去で起こっている事。


そう思う度、どうしてもっと早く様子を見に行かなかったのかと後悔する。



｢カバンから何か取り出したぞ……本、か？｣



アバッキオの言う通り、転げた彼女は、倒れたまま上半身を起こし、肩から掛けていたカバンから本を取り出し、開いた。


そこには本らしい文章はなく、文章の代わりに色とりどりの花びらがずらりと貼られていた。


そして、花びらの下には一つ一つ丁寧に花の名前と花言葉らしきものが手書きで書かれていた。


そして彼女は、レストランでメニュー表から品物を選ぶかのように、花びらを選んでは、その花びらに触れながら


“推理”


とつぶやいた。



｢なッこいつ、スタンド使いだ！｣



彼女が呟くと、彼女の背中から、ほわっと何かが現れた。


そう、そいつも俺が２年前に見た姿だ。


【ランゲージ・オブ・フラワー】。彼女はそう言っていた。


意味は “花言葉” 。


｢お、おい…ブチャラティ。アイツ、何か小声で言っているぞ。｣


彼女は人が変わったかのように、ブツブツと一人で何かを呟いている。


そして、



｢血液から鉄の物体を出現させる、こと……？｣



｢ッ！？コイツ、今の短時間で分かったのか！？｣



＿＿＿あぁ、わかった、彼女の能力が。






ざっと、“花言葉”を実現させる事……かな。

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