元星柱は大罪人６【七つの大罪】【鬼滅の刃】

三百四十ニ番星 ページ22

私達は＜豚の帽子＞亭に戻ってきた。


私が眠っている間にドルイドの里を出たので、感謝の意も伝えずに出てきてしまった。また会えたら伝えよう。
…また会う為にも、絶対に〈十戒〉を倒す。









ｷﾞﾙ「あ、あの…A」


『ギルか。どうした？』


ｷﾞﾙ「白夢の森では申し訳ありませんでした…！！
酷い態度を取り、それだけに飽き足らず指名手配まで……」





ぐすん、と涙ぐみながら謝罪するギルに、なんだか庇護欲が生まれる。弟がいたらこんな感じなのかな。





『全然いいって。私こそ色々言ったし…お前のお陰で魔力についてわかったから、むしろ感謝しかないよ。ありがとう』


ｷﾞﾙ「えっ、そんな、お礼だなんて…」


『私が言いたいだけだから、言わせておいてくれ。あと敬語は外してほしい』


ｷﾞﾙ「う、」






そう言われたら断れない、とでも言いたいのだろう。そんな顔してる。
此奴は想像以上の堅物で、分かりやすいし、人を素直に尊敬し愛することが出来る…そんな優しい奴なのだと知ることが出来た。







『そうだ、良かったらギルの魔力について教えてくれないか？試したい技があるんだが、なかなか上手くいかなくてな』


ｷﾞﾙ「俺でよければ是非！！」


『ありがとう。私も剣術には自信があるから、何時でも手合わせしよう』







いいのか！？とキラキラした目で食いついてくる。
あの時の此奴とは全然違う。互いに生きて、仲間として対等に接することが出来たから知れた一面。


この好奇心旺盛な目は少々苦手だと認識していたが、此奴の性格を知れてからはそんな気も薄れた。むず痒い感じはするが、尊敬の意を向けられているのは悪い気がしない。






『おーおー、少し落ち着けギル。
私は逃げないからゆっくり話せ、な？』





技や魔力の解説を意気揚々とするギルは、少し興奮気味だったので制止した。何だか年下っぽくてつい頭を撫でてしまい、ギルは硬直した。おっと失敬。マーガレット様に申し訳ない。





隣の席に座っていたヘンディに変な誤解をされたのは言うまでもない。

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