三百二十三番星 ページ3
鏡の中の空間は、とても空気が薄く重たかった。
ただでさえ肺が弱い師範が、この中で戦える訳がない。早く此処から出して手当てしなければ。
床があるだけで壁と天井はない。いや…広くて見えないだけか。そして、屋敷にある鏡がそこら辺に浮いている。
その屋敷にある鏡なら、何処へでも出入りできるという訳だ。師範を此処から出しても鬼に追われてしまえば終わり。さっさと倒すのが先決。
『師範、少しだけ耐えてください。
すぐ倒しますからっ』
零「ぅ、っ……」
傷が深い。
急げ私。また失う訳にはいかないんだ。
これはきっと、ザネリ殿の術で過去の記憶へ飛ばされただけ。たとえ過去が変わらないとしても、三度も師範が死ぬのを見るのは御免だ。
今度こそ倒す。三度目の正直ってやつ？
『いや、仏の顔も三度までってな』
相手は下弦の鬼。
呼吸を使えば直ぐだが、この空気の薄さじゃ出せても二発。それ以上は動きに支障が出て師範を守りきれない。
師範を背中に隠し、鬼に切っ先を向ける。
此方へ歩み寄ってくる鬼。初めてその顔を拝んだ。
此奴が、師範を。
今の私には憎悪しかなかった。強く刀を握っていなければ立っていられない。
構えた瞬間、私は鬼に飛びかかる。
斬って斬って斬って……返り血塗れになって気持ち悪い。けれど、そんなことどうでもよかった。ただ、此奴を殺すことしか頭にない。
零「待ちなさい…A」
『ッ！』
師範の声に引き戻される。既のところで刀を止め、鬼と距離をとった。
師範の方に目線だけ向けると、師範は笑顔だった。
何故、笑顔でいられるのですか。
零「貴女は優しすぎるのね。
ありがとう……私の為に怒ってくれて。
でも貴女には私以外にもたくさんの仲間が居る…無いものばかり見てはいけないわ。
今、貴女が守らなければならないものは何？」
私が今、守らなければいけないもの。
ゆっくりと目を閉じ、呼吸を整える。
脳裏に浮かぶのは、やっぱり《
『……私、大切な人達が増えたんです。だから少し、気負い過ぎていた。今の私に出来る事を、全力で成します。
ありがとう、師範』
師範に笑いかけて私は前を向く。
………鳴呼、今度はちゃんと見える。
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ミルクレープ(プロフ) - こはねさん» ほんとにいつもありがとうございます！！超励みになります😭✨更新不定期なのに待っていてくださって、ほんと感謝です！！！これからもよろしくお願いします〜💖💖 (2023年3月11日 23時) (
レス) id: fa8d766c94 (このIDを非表示/違反報告)
ミルクレープ(プロフ) - こはねさん» ハートの通知は区切りのいいとき(10個押されました、など)に来るようになってます！誰が押したかはわからないです！いえいえ全然！！こはねさんはいつもコメントくださるので嬉しいです！！コメント1つでハート100個分くらいの嬉しさがあります💞 (2023年3月11日 23時) (レス) @page48 id: fa8d766c94 (このIDを非表示/違反報告)
こはね(プロフ) - 来るんだったら、私こんなにコメントしてくる癖にハート押さずに終わるなんて酷すぎないか、、！？と思ったところです、、、、。 (2023年3月11日 23時) (レス) id: f36870967d (このIDを非表示/違反報告)
こはね(プロフ) - 私続きが気になりすぎて、ハート押さずにすぐ次にいくんですけど、ハート押したらこはねさんがハート押しました的な通知って来るんですかね、、？？ (2023年3月11日 23時) (レス) @page47 id: f36870967d (このIDを非表示/違反報告)
ミルクレープ(プロフ) - こはねさん» この終わり方自分的に大満足だったのでそう言っていただけて嬉しいですෆ この先ちょっとストーリーが精神的ダメージ大きいので…何回か書き直すかもです……。どんどん更新していきますね！コメントありがとうございます⸜(*ˊᵕˋ*)⸝ (2023年3月9日 23時) (レス) id: fa8d766c94 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミルクレープ | 作成日時：2022年8月16日 13時
