#い ページ7
side Your
きりやんさんが来てくれるかは分からないが、私は旧校舎の教室でまた携帯を弄ってきりやんさんを待っていた。
無心でネットサーフィンをしていると、教室のドアがガラガラと音を立てて開く。
そこには私が待ち望んでいた人物が居た。
「はぁ、はぁ、はぁ・・・い、急いで来ました・・・」
『走って来てくれたの？ありがとう』
「いや、早くAさんに会いたくて」
『「あの」』
声が重なった。二人の声は教室中に反響した。
私は敢えて引いた。あの言葉を期待したから。
「・・・俺と、付き合ってくれませんか」
応えは唯一つしか無かった。
『勿論。よろしくね、きりやん。
あ、あと私の事呼び捨てで呼んでよ、なんかこそばゆい』
「・・・ん。俺の“彼女”としてよろしく、A」
今日、顔も知らないと思っていた人と結ばれました。
お互いが一目惚れをしたそうで。
今でも、一昨日きりやんがくれたラブレターは私の宝物です。
.
その後のきりやんとAの会話。
「そういえば」
『ん？』
「俺ずっとAはスマイルが好きなのかなって思ってた」
『何故？』
「昨日の5時限目の休み時間、スマイルと楽しそうに会話してるの見ててそう思ってたから。あの時何話してたの」
『あぁ、ラブレターの返事ってどう書けば良いかスマイルに聞いてたんだと思うよ。楽しそうにしてたかは知らないけど。言われなくてもきりやんが一番好きだよ』
「なんだぁ・・・良かった・・・
それにしてもスマイルじゃなくていいじゃん、何でよりによって彼奴なの」
『こういう事相談出来る同じクラスの人間がスマイルしか居なかった』
.
朝のSHR前のきりやんとNakamuの会話。
「そういえばどうだったの、返事」
「あぁもう付き合った」
「え！！？まじ！？」
「Nakamu煩い」
「でも大丈夫だったでしょ？」
「うん、本当にNakamuには感謝しかねーわ」
「・・・・・・じゃあ今度なんか奢って」
「ああもうお易い御用よ」
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作者名：七瀬紫苑(レイピアさん。) | 作成日時：2021年9月25日 22時
