#65 ページ23
大量の土筆をおすそ分けした晩、まぁ真夜中に近い時間帯。
凛や笑琉からメッセージが届いていた。
2人とも内容は「佃煮美味しかった」という事と「タッパーは明日辺りに洗って返す」という内容だった。
別に洗わなくても大丈夫なんだけど、と考えながら個々のメッセージに返信をする。
近所の人からも、“佃煮美味しかったです”と言われたので凄く嬉しかった。
作りがいがあるな。
まぁ今度は“量”というものを考えて調理しないとだなぁ。
改めて後悔しました。
あれは作り過ぎの度を越して巨人の給食並みの量だったと思う。
いや、どんな例え？
.
春休み最終日、入学式の前日なので準備の為に私たち新3年生は登校しないといけない。
別に準備するだけだからいいんだけどさ。
あ、因みに笑琉は先生に指名されてメジャーやシート敷きの係になったので先に学校行ったらしい。
なので、凛の家まで一人で歩いて行く。
しかし、凛の家で待っていても一向に凛が家から出てくる気配が無い。
もう呼び鈴鳴らすかぁ、と思い呼び鈴を鳴らす。
すると、中から外にまで聞こえる程の大きな足音が響き、軈て如何にもたった今起きました、という形相をして出てきた。
『髪の毛ボサボサ。髪留めも曲がってる。あと制服じゃなくてジャージ』
「あ！！！」
私がそう小突くと、の凛は急いで家に入って行く。
まったく・・・手のかかる親友ね・・・
まぁ、そんな所が私の親友らしいけれど。
「ごめん！」
『大丈夫、まだ時間あるからゆっくりでいいよ』
「うん・・・あ、そうだ」
凛は休み明け、ましてや朝っぱらだと言うのに酷く疲れきった様子をしていた。
自業自得、ってやつね。
すると、凛はなにか思い出したような声を上げた。
「告白、何時するの？」
『花壇見たらもう私が植えた花は咲いてたからそれを今日摘み取って、花束にして明日の下校時刻辺りに渡して告白するつもり』
「意外と計画立ててたのね〜。頑張って！勇気出すのは一瞬で終わるからさ！」
『・・・出来るだけ、頑張る』
学校に着くと、皆はそれぞれの担当の準備が書かれている紙をフロアにあるホワイトボードで確認していたので、私たちも確認をする。
因みに私は一年生が座るパイプ椅子を拭いて並べる係。凛も同じだったらしい。
「これサボってもバレないんじゃない？3年生が一番人数多いから効率良いし」
『バカ、そんな事言わないの』
「え〜・・・」
『ほら、仕事して』
「・・・はぁーい」
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作者名：七瀬紫苑(レイピアさん。) | 作成日時：2021年2月14日 21時
