【WT】花天月地Ⅱ【Smile】 (ページ3)

今日:3 hit、昨日:1 hit、合計:11,687 hit

#46 ページ3

結構目が疲れたなぁ・・・と思い、目薬を注して眼鏡を掛ける。
目もゴロゴロするし・・・

リビングに戻ると、相も変わらず翔希はゲームに没頭していた。
目大丈夫なのかな・・・？

『翔希、ゲーム続けてて目痛くならない？
少し休憩挟みなよ』

「分かった」

そして彼は伸びをして座り直していた。
すると何故だろう、彼は私の顔を見たまま制止して、顔を赤くしていた。

『・・・どうした？なんかあった？』

「ぅえ？あぁ、なんでもない・・・訳じゃないけど気にすんな」

『ホントに体調悪いなら無理しないで休みなね。顔赤かったから熱でもありそうかなって』

「・・・すまん、今日はもう帰るから。じゃあな」

そう言って彼は荷物の整理をして、「お邪魔しました」と言って出て行った。
今日の翔希、なんか変だったなぁ。
そんなことを考えながら、ティーカップを片付けた。

.

夏休みが明け、二学期が始まる。
9月だと言うのに、外はまだまだ蒸し暑い。
どっしりと重いカバンを手に提げ、だらだらと歩いていると、前方に凛が居たので駆け寄って声を掛ける。

「ん？Aおはよ！夏休みどうだった？」

『まぁ、楽しかったんじゃない？』

「なんで私に聞くの。あれ、そういえば笑琉は？一緒に居ないの？」

『なんで私と笑琉が常に一緒みたいに言うの・・・何も聞いてないな、見かけてもいないから良く分かんない』

いつも通りの時間に出たというのに笑琉は見当たらなかった為、仕方なく先に登校していた。
連絡も何も入っていない。
・・・なんかあったのかな、少し心配なんだけど。

『はぁ・・・』

「なに？笑琉が隣に居なくて寂しい？」

『うるさい』

凛の腹を思い切り殴ってやった。
悶えてる姿がとても滑稽だな。

「痛い」

『知らないよ。ほら、遅刻するよ』

しゃがみ込む凛を無理やり立たせ、歩かせる。
コイツのせいで遅刻するじゃない。早く歩いてくださーい。

『私が遅刻したら凛が悪いから私の代わりに2人分の説教受けてよ』

「なんで私・・・ってちょっと！
袖伸びるから引っ張らないで！！Aホントに鬼だって・・・」

『は？』

「ごめんなさい」