【WT】花天月地Ⅱ【Smile】 (ページ17)

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Side Smile

そんな中身の無いやり取りをしていると、Aが何かのチケットを鞄から取り出し、話し始める。

どうやら、明日に公民館で花の展示会があるから来ないか、という事らしい。

昔の俺だったら花なんて全く興味が無かったかもしれない。
だが、誘った張本人、Aのお陰で花に興味が湧いてきていたのだ。

まぁ、一番の理由としてはAが好きだから、なのかもしれないが。

そういう事なので、彼女の誘いを断る理由も何処にも見当たらないし、何か予定がある訳でも無い。
しかし、本人にこんな事言えないので「考えとく」と返して家に入る。

自室に向かい、鞄を置いてポケットに無造作に突っ込まれた少し皺の付いたチケットを眺める。
Aに行くと連絡する為、携帯を開き、彼女宛に“明日の展示会行く”とだけ書かれたメッセージを送ってスリープモードにした。

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翌日の朝、携帯を開いてAから何か連絡が来ているかどうかを確認したが、昨日の20時頃にメッセージを送信したというのに、Aから返信が来ているどころか既読すらついていなかった。

忘れていた。Aはトーク画面をよく見忘れる癖があった。
テキストじゃなくて電話の方が良かったか？
後で電話するか・・・

展示会というものは確か13時くらいからだったか？
そのくらいに家出るか。

いやそれよりAが何処で待っているかだ。
恐らく彼女は、俺が来ようと来なかろうと花には異様に執着しているので体調不良ではない限り来ているだろう。

やっぱり電話した方がいいと思い、彼女に電話をかける。
が、一向にコールする気配が無い。
携帯の電源を切っているのだろう。

・・・もう面倒臭いから公民館着いたら探すか・・・

そう思い、外に出た。

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side Your

公民館の入り口付近で待つが、暇なので携帯でも弄ろうと思い、携帯の電源を入れる。
すると、メッセージや電話の着信が溜まっており、それの大半は笑琉からだった。

先ず電話してみるかぁ。今日の昼に着信来てるし。

2コールのところで笑琉は電話に出たので、私は話し出す。

sm『・・・はい』

『今日の昼に電話かけてたみたいだけど何かあった？』

sm『Aが何処で待ってるか聞こうと思ったんだけど出なかったんだよ。メッセージも既読つかないし』

『電話出なかったのは電源切ってたから。メッセージ見てないのはただ単に来てるって分からなかったしそもそも来ると思ってなかった。今は公民館の入り口居る』

sm『分かった』