【WT】花天月地Ⅱ【Smile】 (ページ11)

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境内まで進んだはいいものの、寝坊した原因で争う琉唯と笑琉は未だに私の後ろでわーわーと言い合いをしている。

『他の人も居るんだから静かにしなよ、恥ずかしい』

「「ごめん」」

新年早々からこんな疲れるとは思っていなかったなぁ。
すると急に琉唯が私に話題を振ってきた。

br「Aはお願い事は何にするの？」

願い事か・・・あまり他人に言いたくない内容なので伏せておこうかな。

『さぁね』

br「え〜教えてー」

『言いたくない』

sm「琉唯もAが言いたくないって言ってるんだからあんまり干渉しないでおけよ」

br「はぁ〜い」

そして私たちの順番が回ってきたので、3人で横一列になって一斉に願い事をする。

・・・笑琉と両想いに、なれますように。

br「よぉーし！御籤引こ！」

sm「琉唯3年連続で大凶出たらもはや運良いんじゃね」

2人は何を願ったのかは分からないが、他人のプライベートな部分には触れるつもりは無いので、私も彼らに倣って御籤を引きに行く。

結果、末吉というまぁ微妙な結果だった。
私がなんだかんだ一番気になっている恋愛の欄は、こんな事が書かれていた。

“もう少しの辛抱。そこを乗り越えた先に幸せが待っている”

と書かれていた。
もう少しって具体的な数値じゃないからあまり判断が出来ないが、取り敢えず堪えろ、という事だろう。

まぁ、頑張るか。

br「ねぇAはどうだった〜？」

『末吉。琉唯は？今年も大凶？』

br「そうなの〜・・・」

あからさまに琉唯はしょんぼりと頭を垂れて落ち込んでいた。
そういえば、笑琉はどうなんだろうか？

『・・・笑琉』

私が声をかけても、彼はひたすらぼーっとしているだけだったので、今より大きな声で彼の名前を呼ぶと、彼はびっくりしたのか、ビクッとして此方を振り向く。

sm「えっと・・・どうした？」

『御籤の結果。今年は？』

sm「俺は大吉だったけど」

『でもその割には嬉しくなさそうじゃん』

sm「・・・気にすんな、ほら、あっちで雑煮配ってるらしいから行こうぜ、寒いし」

『分かった。琉唯、行くよ』