【WT】花天月地Ⅱ【Smile】 (ページ25)

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翌日、始業式と入学式が行われる。
私は必要なものと花束を入れた紙袋を持って家を出た。
笑琉は今日も入学式の最終確認の為、既に学校に行った。
凛も同様の理由で先に行ったみたいなので、私は一人で登校する。

別に笑琉と一緒に居るのが嫌な訳では無いが、今日だけは登校が同じじゃなくてよかったかもしれない。
絶対私の持ってる紙袋とか花束見て“何だソレ”って聞かれるだろうから。
後で渡す人に“コレ貴方に渡すつもりだ”とも言える訳が無い。

なんか、1年の時に戻ったみたいだな。
1年は笑琉や翔希とは同じクラスでは無かったから知り合いでは無かった。
2年生になって彼らと話すようになってから、凛が待つ所まで笑琉が一緒に来てくれていた。
翔希はあまり話す機会は無かったが、彼も私と仲良くしてくれたのだ。

2人だけではない。
蒼だって、初対面(実際は初対面ではない)でも足を捻挫して支えて貰わないと歩けない程の状態だった私を支えてくれていたし。

琉唯も幼少期からの知り合いで仲のいい友人だった。彼は高校生になっても私と昔の様に会話をしてくれた。

智樹や霧哉だって、私と仲良くしてくれた。
私に優しく接してくれたし。

どうせ2年生になっても凛の他に友達なんて作らないと思っていた。
でも、私が友達を増やそうと思えたから彼らは私の友達で居てくれたんだ。

もうこの際、笑琉に振られたって構わない。
欲張りかもしれないが、友達で居てくれれば私はなんでもいい。
残り1年も無い高校生活、楽しんでいこうじゃないの。

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始業式や入学式は去年とあまり変わらなかった。
担任も変わらなければクラスメイトも変わらない。
帰りの学活中、私は担任の話も全く聞かずに外の桜ばかり見ていた。
桜は満開で、花弁は風に流されてふわふわと漂っている。

担任にバレない様に、隣の席の笑琉に『片付け終わったら話したい事あるから校門で待ってて』と伝えると、彼は「わかった」と返した。

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体育館の片付けは思ったより早く終わった。
準備の時よりもなんか楽だったし。
片付けが終わったから帰っていいと先生が言うと、皆一斉に体育館から出ていき荷物を持って帰ろうとしていた。
どれだけ早く帰りたいの・・・と思いながら私は教室に戻る。

笑琉の荷物は机やロッカーに無かったので、既に私を待つ為に校門に居るのだろう。
私が呼び出したのだから、彼を待たせない様に早めに荷物を持って校門に向かう。