【WT】花天月地【Smile】 (ページ40)

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学活が終了し、下校。
クラスに一人は居るであろう、持って帰るの面倒臭がって長期休暇前に持って帰る荷物一人だけめちゃ多い人は勿論いた。
重そうだなぁと他人事のように考えていた。

すると急に目隠しをされ、「だーれだ？」なんて言われた。

『凛』

「残念。俺でした」

「声は私だけど目隠ししたのは私じゃないからね〜」

『ウッザ』

苛苛したので、思わず凛の腹を殴る。

「痛った・・・A力めっちゃ強いって」

『ごめん、ついつい。でも私空手やってるもん』

「忘れてた。笑琉も殴られてみなよ。初めてAの腹パン食らった人は大体気絶するらしいから」

「・・・結構。というかついついで気絶する程の腹パンかますのは別の意味で無自覚」

「またまた別の意味で無自覚」

二人は何の話をしているか私には全く理解が出来なかった。
でも何故か凛はニヤニヤしていた。
凛めちゃキモいな・・・

「聞こえてますよーAさ〜ん。殴るけどいいの？」

『別に構わないけど。凛のへっぽこなパンチなんて私には効かないからね』

でも凛は私よりも力は弱いが、握力は体力テストで毎回10点なので少なくとも他の女子よりは強い。

「凛って結構力強かったような・・・
力は強くておまけにタフとかA本当に最強じゃん」

「そうなの〜Aって最強なんですよ。
・・・あ、私こっちの道だから。じゃあね」

凛が此方へ向かって手を振るので、私も手を振り返して凛と別れる。

笑琉は私と二人きりになっても先程の私が最強だ、という話を引きずってきた。

「Aってなんで空手やってるの？」

『なんで、かぁ。凛を守る為かな。ついでに自衛手段として教室通ってる』

「友人の為、って事？」

『元々はそういう目的だった。でも今は凛や自分以外にも守るべき人が出来たからその人の為でもある』

まぁ、守るべき人は今私の隣を歩いているが。
笑琉は、私の守るべき人がまさか自分だとは思っていないだろうな。

「・・・聞くけど、その守るべき人って誰」

『さぁね。誰かな』

「教えてくれないの？」

『どうせまた後で知るんだから今じゃなくても良いでしょ』

まだ、早い。来年の春になったら伝えるって決めたのだから。
私の育てる花を添えて。
それまで、待っててね。

まさか私が適当に選んだ花が、告白に使われる予定であるなんて私も思っていなかったし、花だって予想していなかっただろう。

自宅に着いたので、笑琉と別れる。