【WT】花天月地【Smile】 (ページ21)

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(時系列が結構飛びまして、5月頃)

5月が始まった訳だが、足はもう完治した。しかし凛との関係はまだ曖昧なまま一月経てしまった。
もう私も限界に近いので、そろそろ凛と向き合わなきゃな。
歩けるようになってきても、私は部活には行かなかった。凛と対面したく無かったから。
でもいつまでも逃げる訳にはいかないので、今日こそは部活に参加するつもりだ。

朝ご飯を食べて、荷物の準備をして外に出る。
待って今日も鍵家ん中だわ。また忘れてた・・・
私こんなピチピチの高校2年生なのにアルツハイマー発症したの？

そんな事そうでもいいから早く鍵掛けよ。
家の前に居る笑琉が｢早くしろよ・・・｣って表情してこっち見てる。

『ごめん』

sm｢A鍵忘れすぎだろ、認知症じゃあるまいし｣

『せめて注意力がないって言って、傷つく』

sm｢はいはい分かりましたー｣

なんだコイツうぜぇな、と思っていたら、彼が話しかけてきた。

sm｢そういや今日体育祭の出場競技決めるんだろ？何出んの｣

『棒引きに決まってんでしょ』

何より楽だからね。運動音痴にとって神の競技よ。

『そういう笑琉は何にするつもり？』

sm｢騎馬戦じゃ無ければなんでもいい｣

『じゃあ話し合いの時に騎馬戦に笑琉を推薦する』

sm｢やめろ｣

もうすぐ学校の校門近くまで来た所で、私は｢ねぇ｣と彼に声をかける。
笑琉は｢なんだよ｣と素っ気ない態度だが、私の話はしっかり聞いてくれている事は既に知っていた。

『今日、部活に復帰しようと思ってる』

sm｢・・・そう｣

『友人と仲直り出来るといいんだけど』

sm｢・・・頑張れ｣

笑琉は静かに相槌を打ちながら私の話を聞いてくれた。
彼のほんの少しの優しさに私は安堵したせいか、自然と笑みが溢れてしまった。

『ありがとう、お陰でやる気が出てきた』

sm｢あっそ。そういえばA今日の昼どうすんの？｣

『なんでそんな事・・・』

sm｢なんか友人と仲違いしてからずっと一人で食ってるから｣

『別に一人でも寂しくないけど。それに今日私お昼の放送担当だし。放送室で食べる』

一人で過ごしているのは今に始まった事では無い。一人も慣れているが、凛と離れてからやっぱり少し寂しくなった。
いつも隣にいる人が隣にいないのは違和感しか感じない。
改めて私にとっての凛の存在の大きさがとても大きい事を私は理解した。

私って助けられてばっかりだな。
ホント、良い友達に恵まれていて私は凄い幸せだよ。