悪役令嬢に転生！ (ページ3)

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一章︰転生？ページ3

目が覚めた。
(ベッドふかふか…… ん？ベッド？たしか昨日はソファで寝たはず…… 死んだはずのお母さんもいない(あたりまえだ)し、一人暮らしだから運んでくれる人なんていないはず。)
しばらく思考にふけって、
(ハッ、もしかすると、誘拐？)
と気付いた。
パチッと目を開けて視界いっぱいに広がったのは、私を誘拐した気持ち悪いゲスの男……ではなく。
天蓋付きのベッドだった。
｢は？｣
しばらくの間思考停止していた。
(そういえばここ、どこ？)
ムクっと勢いよく起き上がると髪が揺れた。
揺れるほどの髪の長さはない。それすら驚いたのに、その髪の毛の色はなんと金色。意味がわからない。
ウイッグを被せられてんの？と思い、髪の毛を取ろうと引っ張ると……
｢あいたたたた！｣
本物の髪だった。
何なのこれ、どういうこと？そろそろ本気でやばくない？髪、どうやって長くしたの？ていうか勝手に色染めんな！
色々と考えつつとりあえず逃げ出そうと思ってそろそろとベッドからおりると、自分が来ている服に気がついた。
｢なにこれ……ネグリジェ？｣
こんなヒラヒラの服、趣味じゃないんだけど。
(こんな服を着せるだなんて……相当なゲスね。早く逃げないとヤバそう)
と考えて部屋の扉へコソコソと歩いていた……その時！
鏡が目に入った。
いや、そこまではまだいい。だが、肝心なのは鏡に映っている顔。
｢な……どういうこと？！｣
鏡に駆け寄り、鏡の置いてある机をバン！と思い切り叩く。
(いった……ってイヤイヤ！そーゆー事関係ないでしょ！)
だって、だってだって！
その鏡に映っていたのは、私の大好きな小説『愛するアイツら』の悪役令嬢、

アリル・ストライキ・カンドミルだったんだもの!

え？は？どういうこと？夢？
ガチャッと部屋の扉が開く。
肩をすくめていると、ひょこっと顔を出してきたのはメイド服を着た女の人。
わ、この人『愛するアイツら』で見た事ある。アリルの専属メイドじゃん。
って、ええええええええええええええええええええっ？！
｢まぁ、アリル様！お目覚めですね、食堂で朝食食べましょ！｣
彼女＿＿＿メル・ヘンドルは私の腕を引っ張ってどこかへ連れていった(食堂って言ってたっけ。じゃあ連れてったのは食堂なのかな……)。
私は引っ張られながら考えた。
(これって、転生ってこと……？まぁ、誘拐よりいいかって思っておこ……)