永瀬くんの犬 。

永瀬くんと傘。 ページ13

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永「ここ真っ直ぐ行って右曲がったら俺ん家。」



「あ、はい…」




信じられないと思うが私は今永瀬くんと相合傘をしている。私も信じられない。





俺を送ってけという命令をされてしまい、断ることも出来ず…といった所である。









正直もう傘とかどうでもいいので帰らせて欲しい。

性悪といっても永瀬くんはイケメンなわけで、イケメンに近づくと女の子はだいたい






「………」






息が出来なくなる。









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永「…おいもっと寄れや。肩濡れるやろ」









「う、わっ」







永瀬くんが急にぐいっと腕を引くもんだから体制を崩してしまい




永「ちょっ、おま！」









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永瀬くんの胸にダイブする形になってしまった。





「ご、ごごごめん！！！…って」









永瀬くんの胸から急いで顔を上げると、早いスピードで過ぎようとしているダンプが目に入る



「あ、あぶな、うわっ！！！！！」






瞬間、








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バシャーン！！！！









水がはねる音。

暗くなる視界、ダンプが走り去る音、転んで膝が地面に削られる。傘がアスファルトに投げ捨てられる音、水しぶきが舞う。









そして近くなる永瀬くんの体温、匂い。









「へ、…」









永「…っあー、くそ」









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目を開けるとびしょびしょに濡れた永瀬くんがいた。

私は尻もちをついていて、永瀬くんは私を水しぶきから庇うようにして壁に手をついている。






「あ…ありがとう…」









永瀬くんは濡れて張り付いた前髪をバサッとあげて









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永「このままじゃ帰れんやろ、俺ん家寄ってけ」









「えっ」





聞き間違いだといいが、何か、とても、すごいことを言った。









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