永瀬くんの犬 。

永瀬くんが最近、 ページ25

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最近の永瀬くんはおかしい。




前までは特別用もないのに私を呼び出したり、

背後から忍び寄って脅かしてきたりしたのに





「…あっ、」




ほらこのとおり、

最近は目が合ってもすぐそらされる。







岩「あ、今の廉じゃん。なに喧嘩中？」


衣装を作るため、

被服室でしゃがんで私のウエストを測っているいわげんが下から聞いてくる。









「いや、喧嘩した覚えはないんだけど

最近やけに素っ気ないっていうか…私なんかしたかなぁ」






岩「気になるんだ」



「ん〜、まぁそりゃあね」







私が曖昧に答えると

ふーん、と言ってなにやら嬉しそうに作業を再開するいわげん。



なんだその意味ありげな表情は。









岸「なんかあいつ俺にも素っ気ないんだよなぁ〜」




そして暇だからと着いてきた岸くんが椅子にもたれかかりながら言う。





岩「それは岸くんがウザったいからでしょ」



岸「うわ玄樹容赦ね〜〜」








最近の永瀬くんは前より私の前で笑うようになったし、

永瀬くんと、仲良くなれてきたと思っていたのになあ






モヤモヤとした何かが肺をいっぱいにする。









岩「ん〜まぁでも廉も素直じゃない所あるからね、

直接聞いてみたら？」




いわげんの上目遣いを直で食らい、ふらっとするが


確かにいくら私達が詮索したって本人の気持ちは本人にしか分からない。





「…うん、そうだね！次会ったらちゃんと聞いてみる！」






岩「うん！偉い偉い」





いわげんのとびきりスマイルは相変わらず殺人級だった。








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「…ぃよっし、岸くん行くよ〜」


サイズ計りは終わり、

いわげんに教室まで運ぶよう頼まれた布が入ったダンボールを岸くんと手分けして持つ。




岸「あーい」





ガラっと被服室のドアを開けると









「あ、」









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またばったり、永瀬くんと会った。









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