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＊
｢ほらほら見て見て、これが君らの代わりだぜ？｣
すっと目を細めて煽るように言ってみたり。
……けどあたしの煽りにはあんまり効果がないらしい。
｢俺達の代わりだと？
真の雷門イレブンは俺達だ！｣
怯むことなくそう宣言するキャプテン。
その心意気だけは認めてあげたいところだが……これは決まりなんだ。
今までだってどうせフィフスセクターに怯えて決められたことやってきただけのくせにな。
｢ああ……待ってたぜ。
さあ、本番を始めよう｣
｢不当に暴れているお前達と勝負するつもりは無い。
それとも、正式に試合の手続きを取ったとでも言うのか？｣
｢どうやら、自分達の置かれた状況を理解していないようだなぁ｣
そういうなり、剣城は手に持ったボールを上に投げて、飛んだ。
空中でそのままボールを蹴る。
それはそのまま真っ直ぐにサッカー部の旧部室に向かっていって……衝撃音がした。
砂煙の向こうには、縦に真っ二つに割れたサッカー部の看板。
｢うわぁ、お見事｣
他の人達は驚きで声も出ないらしく、あたしの言葉と気持ちの籠ってない拍手が響く。
｢よく聞け、これは提案ではない……命令だ｣
そんな中キャプテンの元まで歩き彼の肩を軽く持った剣城が、そう告げる。
キャプテンは悔しそうに剣城のことを睨んでいた。
───
─
……どうやら、ファーストチームと呼ばれる11人が姿を現したみたいだね。
私の目の前には、颯爽と試合の場所を目指す京介。
｢……京介｣
｢戻ってきたのか｣
声をかければ、ちらりとだけ後ろを振り向いてそう問いかけてきた。
小さく頷けば、また元の方向に直ってそのまま歩いていってしまった。
……さて、試合の前にちょっぴり雷門イレブンの様子を見に行きますかっ！
私はこの目で雷門イレブンのことを見るべく、踵を返して走り出した。
私としては神童さん？率いるイレブンが勝ってる所、見てみたいけどなぁ。
松風くんが京介に勝てたのなら、それよりもずーっと強いであろう彼らには期待が高まってしまう。
……でも、果たして私が京介のチームに入ってしまったらどうなるんだろうか。
全く検討のつかない試合のことを考えて、君に届くようにこう口にした。
｢……ねーっ、杏仍！｣
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