100話 ページ7
キープしたボールもあっさりと奪われレーゼに回った
｢地球にはこんな言葉がある。井の中の蛙大海を知らず…己の無力を知るがいい!｣
｢アストロブレイク!｣
人口芝生を抉って円堂に襲いかかったそのシュートは魔人の手を諸共せずゴールネットすら突き破った
＊
監督の指示の真相
それは私達にこれ以上傷を負わせないため
あのままDFに居た私達は間違いなく病院に行ってた。なんならMFの皆も巻き添えにされていた
あっぶねー!私よく考えてたら相手が油断していたとはいえシュート決めてるじゃん!確実に病院に搬送されてた!
｢豪炎寺君、貴方にはチームを離れてもらいます｣
｢え?｣
｢ちゃんと説明してください!｣
｢私の使命は史上最強チームを作ること。そのチームに豪炎寺君は必要ない。それだけの事よ｣
冷酷に、そして淡々と告げる瞳子監督の目には迷いなど一切なかった
｢豪炎寺!｣
｢A!?｣
＊
つい走って追いかけてしまった。円堂と
｢このチームから出ていくの?｣
｢豪炎寺、本当に行っちゃうのかよ…豪炎寺!｣
｢…｣
｢何か返事をしてよ…｣
｢…すまない。俺たちはお前とは一緒に戦えない｣
振り向きざまに夕陽に照らされて光ったそれを私は見てしまった
｢ごめん円堂!先に戻ってて!｣
｢A!?｣
｢待って!｣
オレンジに染まった石階段をゆっくり降りる豪炎寺の手首をがっしり掴んだ。が、こちらを振り返ることはしない
｢豪炎寺…絶対、絶対に戻ってきてよ。戻ってこないなら…地球の端まで追いかけてやる!｣
一生会えない気がして止めどなく涙が出てきた
｢絶対に…戻って来いよ…｣
｢A｣
名前を呼ばれてパッと顔を上げると優しい笑みを、だけどどこか困ったような表情を浮かべて私の涙を指で拭う。私が掴んでいたその手はいつの間にかやんわりと解かれている
そして大きなその手で私の前髪を撫でるようにかき上げる
視界いっぱいに広がるのはおそらく豪炎寺の喉仏の部分
鼻をかすめる匂いはいつか渡してくれたジャージと同じ良い匂い
おでこに伝わる柔らかな感触。けれど確かに感じた温かい体温
それはほんのわずかな時間だった
｢えっ｣
｢またな｣
最後に私の頭を優しく撫でてその場を後にする
熱を持つおでこに手を当ててしばらく立っていたが、何をされたか理解した瞬間、体温は一気に上昇し頬を真っ赤に染め上げる
｢なんて事をしてくれたんだ…｣
これじゃあしばらく、皆の前に戻れない
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調味料(プロフ) - 涙さん» ご指摘ありがとうございます。気をつけますね (2019年12月27日 8時) (
レス) id: 6e1f936d79 (このIDを非表示/違反報告)
涙(プロフ) - 97話KPではなくGKです (2019年12月27日 2時) (レス) id: 5e09944bd4 (このIDを非表示/違反報告)
調味料(プロフ) - Setsuki.さん» ありがとうございます!!更新頑張ります!! (2019年7月31日 17時) (レス) id: 73a5628078 (このIDを非表示/違反報告)
Setsuki.(プロフ) - やばい…豪炎寺イケメンすぎるだろ！反則！！この小説、豪炎寺推しの私にとってご褒美でしかありません！これからも、無理はしない程度に更新頑張ってください！ (2019年7月28日 21時) (レス) id: 77812d9344 (このIDを非表示/違反報告)
豪炎寺修也推し - 調味料さん» 全然、調味料さんのペースで大丈夫ですよー！これからも頑張って下さい！ (2019年7月21日 18時) (レス) id: e2e58e1092 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：調味料 | 作成日時：2019年6月3日 2時
