７.過去のこと ページ9
「実はAは...ちっちゃい頃誘拐にあって...それで...モルモットにされたんだ。」
冬の寒い、凍るような寒さの中を私は駆けていた。大好きな勇利にお饅頭を届ける為に。きっと満面の笑みを見せてくれるだろう。
走り続けたため、疲れて座り込む。体力が回復し、立ち上がって行こうとすると後ろからがっちりと固められ、動けなくなる。
「あああ！？！？！？！？助けて！！！！助けてぇっんぐっ...」
口を抑えられ紐で手足を縛られそのまま黒いワゴン車へ放り込まれる。
「よし、大人しくしとけよ？じゃないと殺す。」
と、男はナイフをちらつかせる。怖くて怖くて涙が止まらない。車は走り出し、移動し始める。腕にチクリと何かが刺さった感触のあと、意識はなくなった。
起きると、何もかもが白い部屋にいた。窓がなくて、でも空気はそれほど悪くない。いや、少しきつい消毒液の匂いが漂っている。服は真っ白な長袖のワンピース。
なぜここに来たか段々と記憶が蘇り、思い出す。怖くなって蹲っていると、全て白いものを着た男が来て
「こっちへ来い」
と言われ、付いていく。さっきいた部屋と同じく真っ白だ。廊下の先に赤い扉。そこに入るとガラス張りの大きな箱。その中には女の子がいて、ヘッドホンを付けている。何かが作動する音が聞こえ、しばらく経つと
「あああっ！！やだ！なにこれ！！助けて！！やだぁぁぁ！！」
と女の子が叫ぶ。段々ぐったりし始めて、動かなくなった。
「あらら、死んじゃった？」
「まじかよ、処分頼んだ」
「俺がやんのかよ！」
死んだ？この子が死んだ？もしかしたら私も殺されちゃうの...？
恐怖で震えていると頭に何かを被せられる。耳まで覆い被さるヘルメットのようなものだ。
「絶対動いちゃダメだからね。大丈夫、あの子みたいにはしないから。」
と、女の人はにっこりと私に笑いかける。
逆にその笑顔が怖くてさらに震える。
その女の人に持ち上げられてガラス張りの箱に入れられる。
「やだ...出して...お願い...」
「ごめんね。」
そう言うと機械が作動する。ピー、と音が流れ、その音は段々と音量と高さを上げていく。音が高すぎて、大きすぎて頭が痛くなる。その後、映像が脳内に流れはじめた。
ラッキーカラー
あずきいろ
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 110人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
MIRIN(プロフ) - うたプリ大好き?さん» ご連絡ありがとうございます。すぐに訂正させて頂きます。 (2017年4月4日 13時) (
レス) id: 6b98f8bbc4 (このIDを非表示/違反報告)
うたプリ大好き?(プロフ) - 16.違和感で勇利が有利になっています。 (2017年4月4日 13時) (レス) id: 4e8990689c (このIDを非表示/違反報告)
MIRIN(プロフ) - 物部さん» 返信遅くなってしまいすみません。ありがとうございます！なるべく早く更新できるよう頑張ります！ (2017年1月24日 17時) (レス) id: 6b98f8bbc4 (このIDを非表示/違反報告)
物部(プロフ) - 読んでいて好きになりました。更新待ってます！頑張って下さい！ (2017年1月23日 19時) (レス) id: fcc84377d6 (このIDを非表示/違反報告)
MIRIN(プロフ) - 立花萌依さん» コメントありがとうございます！なるべく更新できるよう頑張ります！その事については私も分からないですね...調べてみて間違いでしたら訂正させて頂きます。ご指摘ありがとうございます！ (2016年12月22日 20時) (レス) id: 6b98f8bbc4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：MIRIN x他1人 | 作成日時：2016年11月30日 17時
