狸寝入り JK ページ19
(人1)｢あ、A。アンタちょっと休みな、フラフラだよ｣
｢あー…うん。ありがと。｣
絶対休まなさそうなヌナのそんな返事が聞こえて、ヌナと話していた仲良しさんが遠くなる。
目は瞑ったままだけど、目の前に人の気配がして
ふわりと鼻を燻った柔らかい香りで、すぐにAヌナだと分かった。
｢…眠いくせに、眠くないなんて嘘…。｣
ぽつりとボヤいたヌナの声は、まるでお母さんみたいに心配していて。
今目を開けたら勿体無いから、もう少しヌナの独り言を聞いていることにした。
ヌナの瞳には今、俺しか映っていないから。
ヌナの口から告げられる言葉は、俺にしか向いていないから。
｢…なぁんでこんなに辛いんだろ｣
潤んだため息がひとつ漏れた。
空気が動く感覚がして、俺の前から人の気配が消える。
コツ、コツ。ゆっくり足音が遠ざかって、やがて少ししたらまた同じ足音が近付いてきた。
『Aさん、後で買い出し行ってきてもらえませんか？手空きがいなくて』
｢わかりました。何買って来ればいいですか｣
『これと、これと…』
他のスタッフに捕まっているようだったから少し目を開けてヌナの方を見ると
何やらスタッフと話しているけれど、手にはブランケットを持っていた。
でも見たことのないブランケットで、スタジオにあったものじゃないみたい。
ヌナのキャンディのポーチと同じ、なんの動物なのかよく分からないキャラクターが描かれたブランケット。
ヌナの綺麗な顔であのブランケット持ってると、絶妙に似合わなくて最高に可愛い。
ニヤける顔をなんとか戻して、また近付いてきたヌナの足音を聞く。
ふわりと俺にブランケットをかけて、またひとつため息をついた。
｢…こんなに、好きなのに。
本当、意地悪な人。｣
ねえ、ヌナ。
それは俺に向けて、告げられた言葉ですか。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1622人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「BTS」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
こまる(プロフ) - くぉんぶさん» くぉんぶさんコメントありがとうございます〜！勿体無いお言葉ありがとうございます(;-;)とても励みになるご感想、ありがとうございました！！ (2018年4月30日 9時) (
レス) id: 5f293b6df0 (このIDを非表示/違反報告)
くぉんぶ - 初コメ失礼します！今まで読んだ中で1番好きな作品です！！個人的に色々な表現の仕方が大人っぽく凄いお洒落な感じな所が好きです。 (2018年4月30日 5時) (レス) id: 390a16d720 (このIDを非表示/違反報告)
こまる(プロフ) - ゆ わ こさん» ゆわこさんコメントありがとうございます〜！番外編を見たいと言っていただけて嬉しいです(○´ｰ`○)またキュンキュンしてもらえるような番外編にできるように頑張ります〜！あっ、でも死なないでくださいね…(笑) (2018年4月25日 19時) (レス) id: 5f293b6df0 (このIDを非表示/違反報告)
ゆ わ こ(プロフ) - 番外編見たいです！すごく面白くてキュン死しました！( え (2018年4月25日 15時) (レス) id: 41ddd5c2e8 (このIDを非表示/違反報告)
こまる(プロフ) - そらさん» そらさんコメントありがとうございます！番外編を読みたいと言っていただけて嬉しいです^^*キュンキュンしていただけたなら私としても大成功です〜！番外編公開までしばしお待ちください(○´ｰ`○) (2018年4月24日 23時) (レス) id: 5f293b6df0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：こまる | 作成日時：2018年4月15日 21時
