無反応系メイクヌナ。-2-

意識 you ページ13

｢…ほら。出来たよ


私のより頑固なクマだった｣


JK｢すみません｣


｢…謝んないでよ。昨日散々迷惑かけたの私だし｣




ジョングクのメイクが終わって、いつも通り彼がメイクルームを出た。



私一人になったメイクルームは寒気がしそうなくらい静かで、それでいて平穏だった。


他のメンバーさんのメイクよりジョングクのメイクにはるかに時間がかかったのは


別にジョングクのクマがどうだとか、肌の調子がどうだとかいう問題じゃなくて


テヒョニオッパに、私がジョングクに恋をしていることを指摘されてから



｢…好きなんだもんなぁ｣




私が変に、意識をしてしまうようになったからで。




今まではただ遠くで見ているだけでよかった。隣じゃなくて、数歩後で歩いているだけで満足だった。


なのにどうしてか今は、もっと近くで彼を見ていたくて。


私の知らない彼を、私がまだ経験したことのないことを



彼の隣で、触れてみたい。




｢…なんて顔してるんだ、私。｣





自分でも呆れるくらい真っ赤な顔。彼に少し腕が触れただけで跳ねた心臓。


私だけが意識していて、彼は私を『ただのメイクさん』としか思っていないのに。


それは分かっているはずなのに、なんだか全然気持ちが上がらない。



少しくらい意識してくれてもいいじゃない。…なんて拗ねてみたりするけど



彼に意識されたところで、この恋は最初から実らない恋なのだ。


不器用な生き方でしか生きてこなかった私が、初めて恋なんていう綺麗なものに触れることが出来たのに



その恋が初めから終わった恋なんて、神様は随分と私を嫌っているらしい。

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