偶然の一致1 ページ4
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教室にいても一人で過ごす時間の方が多い。
浅くもなく深くもなく、ぬるま湯に浸かったようなクラスとの関係は、これ以上仲良くする理由など見つからなかった。
だから休み時間になると、騒がしくなる教室から自分が抜け出した所で、誰にも呼び止められないし気にもされない。もしかしたら存在すら気付かれていないのかも。
……いや、それは考え過ぎか。と、日向創はいつもの場所に着いて、足が止まった。
噴水の前に、知らない女の子がベンチに座って読書していた。
「……本科の人か」
茶色のブレザーを見ればすぐに分かった。
才能がない予備学科は地味な黒で、才能がある本科は明るめの茶色。判別しやすくて、同時にその子が羨ましかった。彼女はどんな才能を持っているのだろう、胸の辺りが疼いて仕方ない。
本に視線を落としていた彼女が、不意にこちらに気付いた。
「……もしかして邪魔だった？」
「あ、いや、そんなことは……！」
まさか相手から話しかけて貰えるとは。
対等に話すなんて烏滸がましいかも知れないけど、この機会を逃してしまったら本科の人と話せなくなるかもしれない。
「……良かったら隣、座る？」
そう言って、彼女は端に座り直した。
日向は遠慮がちに近付き、行為に甘えることにした。
膝の上に置いていた拳から、じわり と汗が滲み出てくる。
「……貴方、見ない顔だね」
「え……」
儚げな声。だけど空っぽの言葉。
彼女の顔をよく見ると、随分と容姿が整っていることに驚いてしまった。肌は色白で、自分と比べたら身長も30�儷瓩�離れているんじゃないだろうか。
真っ白な髪をシュシュでおさげ髪をしていて、前髪を赤のヘアピンでとめている。何より紫の目が宝石のように輝いて見えて、魅力的に見えた。
「聞いてる？」
「ご、ごめん……なんて言った？」
「……どこの高校なの？って言ったの」
日向は瞬きをした。
「知らないのか？希望ヶ峰学園は本科と別に、高い学費を払えば誰でも入れる予備学科があるんだよ。……俺も、その一人で」
「……ふぅん」
「ふぅんって」
たったそれだけ。
後は何の反応もなかった。
というか、会ってから彼女の表情がこれっぽっちも変わっていない。
「そんなのあったんだと思って」
「目と鼻の先なんだけど」
「……興味ないんだよね、そう言うの」
バッサリ と切り捨てる彼女に、心が痛む。
「そ、そっか……」
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初火(プロフ) - ゆきさん» 今まで才能に振り回されていたのが無くなったことで、自分なら、自分の方がその男より大切にすることも愛すことも出来る、と考えて、あんな風になりました。 (2016年10月17日 19時) (
レス) id: 4a3cd1d519 (このIDを非表示/違反報告)
初火(プロフ) - ゆきさん» はい、狛枝からですね。狛枝にとって、絶対的な希望の才能を持っている彼女を悲しませる相手が許せなかったんです。絶望的な状況を希望に変えてしまうのが奇跡……と考えている彼は、彼女と一緒にいる間不運が来ないことで、欲が湧いたんですね。 (2016年10月17日 19時) (レス) id: 4a3cd1d519 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - 狛枝とキスしたんですか？ (2016年10月17日 17時) (レス) id: ab6fb12fda (このIDを非表示/違反報告)
初火(プロフ) - M2さん» コメントありがとうございます！嬉しすぎて、更新張り切っちゃいそうです！ (2016年10月12日 17時) (レス) id: 4a3cd1d519 (このIDを非表示/違反報告)
M2 - とてもおもしろいです！いつも更新、楽しみにしてます！ (2016年10月12日 15時) (レス) id: 2e35ec2a38 (このIDを非表示/違反報告)
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