物で攻略してみた結果1 ページ22
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「はぁーい、そこの可愛らしいお嬢さん」
一回本を読むのに集中してしまうと、風宮は声をかけたぐらいでは気付かない。庭園には、丸形のガーデンテーブルと椅子が設けられている。
そこで読書をしていると、超高校級の料理人である花村が風宮を見つけるなりナンパを仕掛けたが、返答がない。
ページを捲る音だけが虚しく聞こえる。
「ブハーッ！輝々ちゃん撃沈っす！」
「二人とも、読書中に邪魔するものじゃないぞ」
たまたま通りかかった澪田と辺古山の珍しい組み合わせ。
指を差しながら大笑いしてくる澪田に、花村は椅子の向かい側に座り、風宮の顔に近づく。
女の子特有のいい匂いがする。それと仄かに甘いお菓子の匂い。花村の鼻から血が一筋流れる。
「ンフフ、僕を無視をするなんてイケない子だなあ。悪戯しちゃうよ？」
反応なし。
澪田が自分の肩を抱きしめる。
「んぎぎ！果てしなくキモいっす！莉愛ちゃん早く逃げて――！」
横で辺古山は対応しきれないという顔をする。
その時、本が閉じられた。落としていた視線を上げて、風宮は至近距離にある花村の顔を見るや、椅子を引いて距離を置く。長時間同じ姿勢だったため うーん と体を伸ばす。
マイペース過ぎる行動に一堂 きょとん とするが、いち早く花村が動く。
「ねえねえ。風の噂で聞いたんだけど、風宮さんお菓子職人の先輩からお菓子を貰ってるんだってね、ひどいよ！」
「……食べたいの？」
「寧ろ食べたいのは君かなー……じゃなくて、わざわざ先輩に貰わなくても、身近に僕と言うオアシスがあるじゃないか！」
鼻血を瞬時に拭き取りながら、輝かしい笑顔を向ける花村。
「……相手からくれるだけだけど」
「つまり莉愛ちゃん、餌付けされてるんすね」
「……餌付けって表現は止めないか？」
「シェフである僕だって、先輩に負けないくらい美味しいスイーツも作れるよ！」
どこから用意したのか、花村の片手には白い皿があり、シュークリームが一つ乗せられている。風宮の前に置くと、自慢気に鼻を鳴らす。
「ふふん、さあ食べてみて！」
横から「……また変なもの入ってんじゃねーんすか？」と澪田はそのシュークリームを睨むが、花村は「今回はいれてないよ！」と、二人に何もないと手を振ってジェスチャーをして見せたが墓穴を掘った。
今回は？ とクラスメイトに向けられる視線が痛い。
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初火(プロフ) - ゆきさん» 今まで才能に振り回されていたのが無くなったことで、自分なら、自分の方がその男より大切にすることも愛すことも出来る、と考えて、あんな風になりました。 (2016年10月17日 19時) (
レス) id: 4a3cd1d519 (このIDを非表示/違反報告)
初火(プロフ) - ゆきさん» はい、狛枝からですね。狛枝にとって、絶対的な希望の才能を持っている彼女を悲しませる相手が許せなかったんです。絶望的な状況を希望に変えてしまうのが奇跡……と考えている彼は、彼女と一緒にいる間不運が来ないことで、欲が湧いたんですね。 (2016年10月17日 19時) (レス) id: 4a3cd1d519 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - 狛枝とキスしたんですか？ (2016年10月17日 17時) (レス) id: ab6fb12fda (このIDを非表示/違反報告)
初火(プロフ) - M2さん» コメントありがとうございます！嬉しすぎて、更新張り切っちゃいそうです！ (2016年10月12日 17時) (レス) id: 4a3cd1d519 (このIDを非表示/違反報告)
M2 - とてもおもしろいです！いつも更新、楽しみにしてます！ (2016年10月12日 15時) (レス) id: 2e35ec2a38 (このIDを非表示/違反報告)
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