昼食の一時 ページ16
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「いやあ、お姉ちゃん大変だね」
そう言って彼は、面白そうに笑う。
神代優兎。小学生と見間違う程の外見を持っている同級生は、超高校級の諜報員の才能を持っている。
雪染達から逃れる為に廊下を走っていた所を呼び止められ、今は食堂の一番端の席に座って、神代お気に入りのヘンゼル&グレーテルのパンを一つお裾分けされていた。
ランダムに菓子パンが入っている茶袋から引き当てたのは、えびすかぼちゃメロンパンと言う物だったのだが、神代から「それ美味しいよ」と進められ、空腹を満たす為に口に運ぶ。
ふわふわのパン生地に練り込まれたかぼちゃの風味と、外側の甘いビスケット生地が サクサク として美味しい。
「完全に巻き込まれ体質だもんな」
向かい側に座る神代は うーん と悩んでから、脇に置いてある茶袋からパンを取り出すと、食べ始めた。
まだ何も事情を話していないのにも関わらず“大変だね”と口にすると言うことは、近くで何が起きていたのか見ていたらしい。
助けてくれても良かったんじゃないかと頭に過るも、彼の存在は異常までに薄すぎて、周りが気付かないという場面を前に何度か目撃しているし、彼等に気付いてもらえないなら口にした所で無意味だったのを思い出す。
「それにしても新しく入ったあの女の先生、凄いよね」
「……うん」
雪染を指しているのだろう。
向日葵のような笑顔に、周りを圧倒させてしまう気力、女にも関わらず40�圓△觴�分を担ぎ上げる力を持っていて………。
「胸囲どのくらいあるのかな？」
風宮は、黙々と食べていたメロンパンを喉に詰まらせそうになった。
「は？」
「埋めたら気持ちいいだろうね、胸枕してもらいたいよ」
「……無理してキャラ作りなんてしなくていいよ」
「やだなぁ！いくら存在が薄いぼくでも、性_欲は人一倍あるよ！」
パンを一つ食べ終えながらあどけなく笑う神代。
能力のおかげで、昼食を摂っている生徒達には彼の声が聞こえなかったようだ。
再び手元にあるメロンパンを食べ始める。
「お姉ちゃんスルースキルは止めて！」
「……パン美味しい」
「美味しいけどさ！美味しいけど、もうちょっとぼくの話を聞いてくれないかな？お風呂覗きにいくよ？」
「……才能の使い方果てしなく間違ってる」
やはり才能は、ゲームの説明書のように正しく使われないと意味がないと痛感するが、才能のせいで人付き合いが上手く出来きない神代が楽しそうに話しかけてくれるのは、きっと喜ばしい事に違いない。
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初火(プロフ) - ゆきさん» 今まで才能に振り回されていたのが無くなったことで、自分なら、自分の方がその男より大切にすることも愛すことも出来る、と考えて、あんな風になりました。 (2016年10月17日 19時) (
レス) id: 4a3cd1d519 (このIDを非表示/違反報告)
初火(プロフ) - ゆきさん» はい、狛枝からですね。狛枝にとって、絶対的な希望の才能を持っている彼女を悲しませる相手が許せなかったんです。絶望的な状況を希望に変えてしまうのが奇跡……と考えている彼は、彼女と一緒にいる間不運が来ないことで、欲が湧いたんですね。 (2016年10月17日 19時) (レス) id: 4a3cd1d519 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - 狛枝とキスしたんですか？ (2016年10月17日 17時) (レス) id: ab6fb12fda (このIDを非表示/違反報告)
初火(プロフ) - M2さん» コメントありがとうございます！嬉しすぎて、更新張り切っちゃいそうです！ (2016年10月12日 17時) (レス) id: 4a3cd1d519 (このIDを非表示/違反報告)
M2 - とてもおもしろいです！いつも更新、楽しみにしてます！ (2016年10月12日 15時) (レス) id: 2e35ec2a38 (このIDを非表示/違反報告)
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