さあ、友達を作ろう ページ11
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小さな紙を片手に、自分のスマホに電話番号を登録する。
学園長室から去る際に黄桜から、何かあった時の為にと連絡先を寄越してきたのだ。
どこまで本気なのか読めない人だが、生徒に個人情報を教える時点でそれなりに覚悟はしているに違いないだろう。
歩きながら登録を済ませると、風宮は顔を上げる。
スマホをポケットに入れ、首に巻いていた白いマフラーが形崩れているのに気づき、巻き直す。
「……あれは」
手前の窓に近寄り外を覗く。
副担任の雪染が歩いていた。水色の服の上にフリルが施された白いエプロンを装着し、何名か気だるそうに歩く生徒を引き連れて。
「張り切ってるなぁ……雪染先生」
そろそろお昼近くなると思い、購買部に行こうかと窓から顔を離した時、突然肩を掴まれた。
誰かと思って振り返れば、今、本当に今、外で歩いていたはずの雪染が目の前に立っていた。
「え？」
「呼ばれて来ちゃった♡」
雪染の周りを見るが単独で来たらしい。
学園長室の時もそうだけど、彼女は一体何者だろうか。気配を消して、瞬時に移動出来るなんて常人越えてる。
「風宮さん！一緒に青春を取り戻そう！」
「……自分の生徒達とやってくださいよ。私これから用事が」
すると雪染は片手で頭を抱え、重苦しいため息を吐いた。
「はあぁ……貴女もなのね」
「……は？」
「私は関係ない。図書室に籠って一人でいた方が楽。人間関係を築くのが面倒くさいって」
「いや、そこまで考えてない……」
んですけど、と言う前に ビシッ と指を差され、口を噤む。
「そんな貴女は廃棄処分前の腐ったみかんよ！」
「……腐ったみかんは即捨てられるでしょ」
なに言ってるんだこの人は。
名言言ってやったみたいな顔で言われても反応しづらいし、体が冷えていくような感覚を覚えて鳥肌がたつ。
……これが滑ると言うことか。
「青春は一度しかないのよ？友達も作らないで一人でいたら、風宮さん死んじゃうわよ！」
「私はうさぎじゃありませんから」
確かに周りと比べれば身長は低いけど、小動物に例えられほど弱くはない。
その時雪染は「仕方ない」と一言言って近づくなり、風宮の体を持ち上げて担ぎ出した。
「ちょ、あ、あの」
「同じ77期生、うちのクラスと挨拶して友達つくちゃおう！」
どこからそんな細い腕に自分を抱き上げる力があるのだろうか。
購買部とは真逆に歩き出す彼女から抜け出そうとするも、がっちりと押さえられて身動きすら出来なかった。
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初火(プロフ) - ゆきさん» 今まで才能に振り回されていたのが無くなったことで、自分なら、自分の方がその男より大切にすることも愛すことも出来る、と考えて、あんな風になりました。 (2016年10月17日 19時) (
レス) id: 4a3cd1d519 (このIDを非表示/違反報告)
初火(プロフ) - ゆきさん» はい、狛枝からですね。狛枝にとって、絶対的な希望の才能を持っている彼女を悲しませる相手が許せなかったんです。絶望的な状況を希望に変えてしまうのが奇跡……と考えている彼は、彼女と一緒にいる間不運が来ないことで、欲が湧いたんですね。 (2016年10月17日 19時) (レス) id: 4a3cd1d519 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - 狛枝とキスしたんですか？ (2016年10月17日 17時) (レス) id: ab6fb12fda (このIDを非表示/違反報告)
初火(プロフ) - M2さん» コメントありがとうございます！嬉しすぎて、更新張り切っちゃいそうです！ (2016年10月12日 17時) (レス) id: 4a3cd1d519 (このIDを非表示/違反報告)
M2 - とてもおもしろいです！いつも更新、楽しみにしてます！ (2016年10月12日 15時) (レス) id: 2e35ec2a38 (このIDを非表示/違反報告)
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