S side ページ34
「わざわざ話すことでもないと思うんだが…」
智が部屋を出て暫く経った頃、所長が口を開いた。
「智が、自分の持つ力を全て解放してしまえば、智の体は耐えられない。それは、知っているな？」
「えぇ、もちろんです」
智のことなら、ちゃんと頭に入れている。
智はいつも自分の体のことを考えないで無理しようとするから。
戦いの時はしっかり考えて動いてきたつもりだ。
「これから起こる戦いは、今までよりずっと厳しいものになるだろう。お前たちを守るためなら、智は何をするか分からない。自分を犠牲にすることもいとわないだろう」
「僕も、そう思います」
そう。それは間違いなく起こりうることだ。
いつもそうだったから。
傷つきながら、いつも俺を守ってくれたから。
だからこそ、俺が1番心配していることなんだ。
「伝説で天使が自分を犠牲にしてみんなを守ったように、智の持つ全ての力を解放してしまえば、確実に聖戦を終わらせられるだろう。ただし…」
所長が言葉を詰まらせた。
「智は………死んでしまう…………」
「分かっています。それだけは、絶対に防がないと」
ああやってにこにこしている間にも、智はきっと何か考えているだろう。
それをなるべく早く、察してあげなきゃいけないんだ。
智を守ることが、俺の仕事なんだから。
「うん、安心した。それならいいんだ。くれぐれも無理しないようにな、頑張ってくれ」
「はい。行ってきます」
所長は玄関まで、見送ってくれた。
「絶対、守るからね…」
所長と別れた後、誰にともなくぼそっ、と呟いてみんなの待つ車まで小走りで向かった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 252人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ほっぺ大福(プロフ) - 美唯さん» 今年もよろしくお願いします(*^^*)もうすぐ移行となりますが、良かったら読んでやって下さい！ (2016年1月2日 17時) (
レス) id: 3fb09271d5 (このIDを非表示/違反報告)
美唯 - あけましておめでとうございます(笑)また続き楽しみにしてますね(笑) (2016年1月1日 8時) (レス) id: 14862b15c0 (このIDを非表示/違反報告)
ほっぺ大福(プロフ) - 羅瑠亜さん» ありがとうございます(*^^*) 一応受験生なもので…(-_-;)更新遅くなるかも知れませんが、これからもよろしくお願いします！！ (2015年12月12日 22時) (レス) id: 3fb09271d5 (このIDを非表示/違反報告)
羅瑠亜(プロフ) - 一気に読んでしまいました。とても面白かったです。勉学に小説に...とお疲れ様です＾＾応援しています。 (2015年12月12日 12時) (レス) id: 56711be44c (このIDを非表示/違反報告)
美唯 - 智くん大丈夫かな…？｡続き楽しみにしてますね(笑) (2015年12月9日 16時) (レス) id: 14862b15c0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ほっぺ大福 | 作成日時：2015年12月4日 15時
