S side ページ25
智の細い腕が伸びてきて、俺の首筋に触れた時。
恐怖で思わず目を閉じた。
―すると。
「翔…俺、やったよ…！強く、、強くなれた…！これで翔のこと、守れるからっ…！」
首に腕を回して抱きついてきたんだ。
あれっ…。
……智…？
分かるの…？
ちゃんと、分かってるの…！？
「智っ、俺のこと、分かるの…！？」
腕をぱっ、と離して俺から飛び退いて、嬉しそうに言った。
「うん！分かるよ！それにね、体力も前よりずっとついたんだ！」
それから、俺の回りで跳ね回って、光を手の上できらきらさせていたかと思うと、今度は両手に大きな剣を作り出していた。
悪魔になって強くなった力をかなり解放しているらしい。
いつもの戦いで見る剣なんて比べ物にならないほど大きな炎。
…まぁ、いつもの白いそれと違って真っ黒なんだけど。
自分が作り出したそれを初めて見るのがよほど嬉しいらしく、満面の笑顔で剣を振り回している。
これ以上そのまま暴れていると、さすがに体力の限界だろう。明日は仕事があるし、この辺でやめさせないと。
そう思った矢先。
「っ……ふぅ、、疲れた」
ふっ、と元の姿に戻った智。
顔に疲れの色が見える。
もう…。
限界になるまで遊ぶって…。
子供みたいだなぁ…。
…それがいいとこでもあるんだけど。
「ここ来てから、結構無理したんでしょ？もう休もう？明日仕事だし」
ぺたん、と床に座り込んでいた智は、俺の方を見上げて大きく頷いた。
「ん！そうする！」
俺の手を取って立ち上がり、そのまま手を繋いでその部屋を出た。
小さくて華奢な智。
だけど智の抱えたものは、俺のそれよりずっと大きくて重くて。
俺になら何でも話してくれてるものだと思ってたけど、こうやって1人で考えて無理して…。
やっぱり、目を離していられないな。
この調子じゃ、いざという時に"あれ"をしないとも限らない。
それだけは。やめさせないと。
それが俺の仕事だ。智を守ることが。
智は今、何を考えているんだろう。
けろっ、としているけれど。
ちらっ、と智を見る。
それにも気づかず、隣で大きくあくびをした。
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ほっぺ大福(プロフ) - 美唯さん» 今年もよろしくお願いします(*^^*)もうすぐ移行となりますが、良かったら読んでやって下さい！ (2016年1月2日 17時) (
レス) id: 3fb09271d5 (このIDを非表示/違反報告)
美唯 - あけましておめでとうございます(笑)また続き楽しみにしてますね(笑) (2016年1月1日 8時) (レス) id: 14862b15c0 (このIDを非表示/違反報告)
ほっぺ大福(プロフ) - 羅瑠亜さん» ありがとうございます(*^^*) 一応受験生なもので…(-_-;)更新遅くなるかも知れませんが、これからもよろしくお願いします！！ (2015年12月12日 22時) (レス) id: 3fb09271d5 (このIDを非表示/違反報告)
羅瑠亜(プロフ) - 一気に読んでしまいました。とても面白かったです。勉学に小説に...とお疲れ様です＾＾応援しています。 (2015年12月12日 12時) (レス) id: 56711be44c (このIDを非表示/違反報告)
美唯 - 智くん大丈夫かな…？｡続き楽しみにしてますね(笑) (2015年12月9日 16時) (レス) id: 14862b15c0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ほっぺ大福 | 作成日時：2015年12月4日 15時
