闇の世界より、愛を込めて。 (ページ4)

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「はっ、はっ、はぁっ、はぁ……はぁ……ゆ、め……？」

底知れないような恐怖と、手首の痛みで飛び起きた。

びっしょりかいた汗と、まだ落ち着かない鼓動。まるでマラソンでもしてきたみたいだ。

年甲斐もなく真っ暗闇がどうにも怖くて、いたる所の電気をつけた。

シャワーを浴びて、水を飲んでさっぱりして、それでもソワソワして怖くて眠れなくて……。

まだ午前5時。家を出るまでしばらく時間はある。

怖がっちゃいけないのに、嫌っちゃいけないのに……。
あの声が、あの目が、いつまで経っても頭から離れない。

まだじんわり痛む左手に浮かんだ浅黒いアザが、こんな夢ごときで怯える自分の情けなさを痛感させる。

……もし、自分がもっと強かったら───彼みたいに勇気があれば───違う道を2人で歩めていたかな。

"いつだって俺を正しい道に進ませてくれたじゃん"

"俺はずっとあなたについて行くよ。今までもこれからも、あなただけを信じて生きていくよ"

いつか、1人で悩んで泣いた俺にかけてくれた彼の言葉に、そうだよね。と1人呟く。

ここまで来て、今更「もしもあの時……」とか、そんなこと言ってみたって仕方ない。

……どこまででも逃げよう。生きるんだ。2人で。