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「……で、今更何の用だよ」
何も言わずに俺を睨みつけている美咲に若干の苛立ちを覚えながら、さっさと話を終わらせて部屋に戻ろうと次の言葉を促す。
「別に？元気そうにしてるなーって思っただけ。旅行なんかに来られるぐらい仕事にも余裕ができたんだなーってね」
「お前には寂しい思いさせて、本当に申し訳なかったと思ってる。あの時は俺に出来る最大限のことをやってやってたつもりだったんだ。だから……」
ここまで言って、軽く鼻で笑われたのが聞こえて顔をあげる。
「そうやってすぐ逃げようとする癖、まだ変わってないんだね。今もそうやって恋人のこと傷つけて寂しい思いさせてるの？」
今にも泣きそうな潤んだ目でそう言われ、何も言い返せなくなった。そうだ、別れを告げられた日も同じようなことを言われたんだ。
「あなたはいつも私以外の"何か"を見てる。あなたの中に私はいない」と。泣きながら何度も言われたんだった。
……だからと言って、じゃああの時どうしていたら良かったのか、それはまだ分からない。
きっと俺は世間の女性に求められるモノを何も持ち合わせていないんだろう。
出来る限り優しくしてるつもりだ、でもそれは『つもり』でしかない。だからいつまで経っても成長出来ない。
いつか、美咲の言ってることが俺にも分かる時が来るんだろうか。もしそうなら、俺はきっとこの上なく後悔することになるのかも知れない。
「……さっきの人、新しい恋人？」
「え、いや……」
「……別にアンタが男が好きでも女が好きでも私には関係ないけどさ。でも…あの人が可哀想、最後はアンタのいいようにされて飽きたら放ったらかしになっちゃうのに」
……違う。俺は絶対に、彼を離したりなんかしない。
「私みたいに……ね？」
……智くんを2度と寂しい思いになんかさせないんだ。
「また、泣かせるんでしょう？」
「本当に、可哀想」
何の表情も持たない、冷たい目でそう言い残して、彼女は足早に帰って行った。
泣かせる……俺が？智くんを？
ソファで眠る彼の涙を見た時に誓った気持ちは揺るがないはずだったのに、彼女の言葉の1つ1つが心に重くのしかかり、引っかかって離れない。
1人取り残された廊下。これから…どんな顔をして智くんに会えばいいのだろう。
思わず漏らした大きな溜め息が、廊下に静かに響いた。
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あっちゃん(プロフ) - お久しぶりです。1年ぶりでしたか。←自分自身もあわただしくしてしたのでそんなに気にならなかったですよ。また更新してくださるのをお待ちしてます。 (2021年1月14日 15時) (
レス) id: 178db8b66c (このIDを非表示/違反報告)
あつこ(プロフ) - 更新ありがとうございます。ほっぺ大福さんのペースでゆっくり更新してくださいね♪ゆっくりお待ちしてます♪ (2021年1月14日 1時) (レス) id: c34a7bdbe3 (このIDを非表示/違反報告)
よこ□(プロフ) - はじめまして！ほっぺ大福さんの書かれる小説大好きです。お体の優れないなか更新して下さりありがとうございます。また、お話しして下さりありがとうございます。いつまででも待ってますので(´；ω；`)お体を第一に。無理なさらずにして下さい。応援しています。 (2019年7月13日 0時) (レス) id: 86e0ea9385 (このIDを非表示/違反報告)
あっちゃん(プロフ) - はじめまして。体調の優れないなかでの更新ありがとうございます。無理なさらないでくださいね。いつまでも気長に待ちますので… 。お元気になられることをお祈りしています。 (2019年7月12日 15時) (レス) id: cd7b6e55f7 (このIDを非表示/違反報告)
sayaka3104(プロフ) - はじめまして。体調が優れない中更新ありがとうございます。作品ごと消えてしまうなんて悲しいこと言わないで！どんなに間が空いても気長に待ってます。体調見ながらでいいですのでお願いします。お大事してください。 (2019年7月12日 10時) (レス) id: 72dafea14d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ほっぺ大福 | 作成日時：2018年6月27日 0時
