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視界が霞んで、目の前にいるはずの二宮くんがよく見えない。
何か言わなくちゃと思うのに、口を開けば情けない嗚咽だけで、ちっとも言葉を紡げない。
1度濡れて、また乾かした後みたいなクシャクシャの手紙に、ボタボタ涙が落ちていって、せっかく整った字が滲んで歪む。これだけは大事にしなきゃと思ってたのに。
そうだ、大事に、しなきゃいけなかったのに。
『しょうくん、あのね……』
あの時智くんが差し出そうとしたのは、きっとこの手紙だったんだろう。
下の方、少し余ったスペースに描かれた俺と智くんは仲良く手を繋いでいて。
またこんなふうになれる日を、ずっと待ってたんだろう。
俺が智くんにこうしてあげる日を、ずっとずっと、ひとりで願ってたんだろう。
彼を振り払った俺の手を、彼に触れてあげるのを、智くんはずっと待っていてくれてたんだ。
｢智くん、あの雨の中ずぶ濡れになって泣きながら歩いてたんだよ。俺が声をかけても虚ろな顔して『翔くん、翔くん』って。俺が連れて帰ろうとしたら、智くん抵抗したんだよ。あんなに聞き分けのいい子なのに、『翔くんのお家じゃなきゃ嫌だ！』って、泣き叫んで聞かなかったんだよ｣
｢俺、初めて智くんと会った日に、1人で抱え込まないように何かあったら相談してくれって言ったよな？1回でも話をしてくれてれば……なぁ、なんでこんな事……｣
痛い。辛い。苦しい。
どうでもいい俺の悩み事のせいで、みんなにそんな顔をさせている。
｢その手紙ね、雨に濡れちゃわないように、服に入れて大事に持ってたんですよ。櫻井くんが帰って来たら渡そうと思ってたけど、自分から渡してももう受け取ってくれないだろうから、今度会った時に渡してって俺らに預けてくれたんです。……ねえ、あんなに楽しそうだったじゃない。あんなに可愛がってたのに。一時の気の迷いで、簡単に手放しちゃっていいの？｣
ちっぽけなプライドが、くだらない意地が、謝るのだけは絶対にしないぞと決めていたのに。
静かに、諭すように二宮くんに言われて、そんなものがストンと綺麗に剥がれ落ちた。
相葉くんがズビズビ鼻を鳴らす音、智くんの可愛い寝息、秒針の音。
そうだ、俺達に、こんな静かな時間は似合わない。
顔合わせるだけで、はじめましての時だってすぐに打ち解けて楽しくて……。
1番に、大事にしなきゃいけないものだった。
｢……みんな、ごめん｣
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あっちゃん(プロフ) - お久しぶりです。1年ぶりでしたか。←自分自身もあわただしくしてしたのでそんなに気にならなかったですよ。また更新してくださるのをお待ちしてます。 (2021年1月14日 15時) (
レス) id: 178db8b66c (このIDを非表示/違反報告)
あつこ(プロフ) - 更新ありがとうございます。ほっぺ大福さんのペースでゆっくり更新してくださいね♪ゆっくりお待ちしてます♪ (2021年1月14日 1時) (レス) id: c34a7bdbe3 (このIDを非表示/違反報告)
よこ□(プロフ) - はじめまして！ほっぺ大福さんの書かれる小説大好きです。お体の優れないなか更新して下さりありがとうございます。また、お話しして下さりありがとうございます。いつまででも待ってますので(´；ω；`)お体を第一に。無理なさらずにして下さい。応援しています。 (2019年7月13日 0時) (レス) id: 86e0ea9385 (このIDを非表示/違反報告)
あっちゃん(プロフ) - はじめまして。体調の優れないなかでの更新ありがとうございます。無理なさらないでくださいね。いつまでも気長に待ちますので… 。お元気になられることをお祈りしています。 (2019年7月12日 15時) (レス) id: cd7b6e55f7 (このIDを非表示/違反報告)
sayaka3104(プロフ) - はじめまして。体調が優れない中更新ありがとうございます。作品ごと消えてしまうなんて悲しいこと言わないで！どんなに間が空いても気長に待ってます。体調見ながらでいいですのでお願いします。お大事してください。 (2019年7月12日 10時) (レス) id: 72dafea14d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ほっぺ大福 | 作成日時：2018年6月27日 0時
