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あぁ、ダメだ。何かが崩れていくのが分かる。目の前のこの男を拾ったあの日から、思えばあれが間違いだったのか。
そうだ、見ず知らずのガキを拾って育てるなんて、そもそもそんな"らしくない"ことしたのがいけなかったんだ。あんなことしてなきゃ、俺はきっと、今もきっと……。
｢しょうくん？おかえりなさい｣
｢うるせえんだよ！チョロチョロまとわりついてくるんじゃねえ！あっち行けよ！鬱陶しいんだよ！｣
渾身の力で蹴り飛ばして、持っていた鞄を投げつける。
大量の資料やノートパソコンが入ったそれは、蹴られた勢いで少し離れたソファの下に尻もちをついたソイツの横腹に当たって派手な音を立てた。
｢しょ、うくん……？｣
俺に怒鳴られたせいか、鞄が当たった痛みのせいか、目にいっぱい涙を溜めて、それでもまだ立ち上がって俺にすがろうとする。
あぁ、鬱陶しい。
その無垢さが、目障りで仕方ない。
｢来るなって言ってんだろ！どっか行けよ！邪魔なんだよ！｣
｢しょうくん、あのね……｣
｢うるせえ、近寄るな、俺に話しかけるな、どっか行け、今すぐここから出てけ｣
大きく息をして必死に理性を引きずり出す。何とかなってしまいそうだった。八つ当たりなのは分かっている。でもだからと言って素直に反省など出来やしない。このままどうにかしてしまいそうだ。とにかく、どこかへ行ってくれ。俺がまだ冷静なうちに。視界に入らないどこか遠くへ。
それでもまだ目の前の男は何かを言おうとしてくる。服の裾をモジモジさせながら、知った単語を並べている。聞きたくない。顔を見たくない。忘れたい。何もかも、コイツのことを忘れてしまいたい。
俺がこんなに自分を抑えているのに。
震える指が、またスーツに触れる。大きな目が揺れている。
神経を逆なでされて、頭に血が昇って。
｢触んじゃねぇ！さっさと出てけっつってんだろ！！｣
気付いたら乾いた大きな音がしていて。
ポロポロと泣くその細い腕を掴んで玄関の外に投げ捨てていた。
外で喚く声が聞こえる。鬱陶しい。鬱陶しい。
さっさと着替えて、風呂にでも入ろうか。
カーテン越しの稲光が眩しくなってきた。雨は今がちょうどピークだろう。空は黒い雲で真っ暗だった。
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あっちゃん(プロフ) - お久しぶりです。1年ぶりでしたか。←自分自身もあわただしくしてしたのでそんなに気にならなかったですよ。また更新してくださるのをお待ちしてます。 (2021年1月14日 15時) (
レス) id: 178db8b66c (このIDを非表示/違反報告)
あつこ(プロフ) - 更新ありがとうございます。ほっぺ大福さんのペースでゆっくり更新してくださいね♪ゆっくりお待ちしてます♪ (2021年1月14日 1時) (レス) id: c34a7bdbe3 (このIDを非表示/違反報告)
よこ□(プロフ) - はじめまして！ほっぺ大福さんの書かれる小説大好きです。お体の優れないなか更新して下さりありがとうございます。また、お話しして下さりありがとうございます。いつまででも待ってますので(´；ω；`)お体を第一に。無理なさらずにして下さい。応援しています。 (2019年7月13日 0時) (レス) id: 86e0ea9385 (このIDを非表示/違反報告)
あっちゃん(プロフ) - はじめまして。体調の優れないなかでの更新ありがとうございます。無理なさらないでくださいね。いつまでも気長に待ちますので… 。お元気になられることをお祈りしています。 (2019年7月12日 15時) (レス) id: cd7b6e55f7 (このIDを非表示/違反報告)
sayaka3104(プロフ) - はじめまして。体調が優れない中更新ありがとうございます。作品ごと消えてしまうなんて悲しいこと言わないで！どんなに間が空いても気長に待ってます。体調見ながらでいいですのでお願いします。お大事してください。 (2019年7月12日 10時) (レス) id: 72dafea14d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ほっぺ大福 | 作成日時：2018年6月27日 0時
