空白が二十九。 ページ30
「今日は帰る。明日乗り込もう」
「は、明日!?ただでさえポートマフィアに人数削られてんだ、勝ち目がないだろ!」
「私がカバーする」
まだ子犬のように吠える彼の云い分も聞かずに、それを皆に伝えてAは姿を消した。
自分勝手過ぎると嘆く奴、逆にAの勢いの良さ、自信に感心する奴もいた。
結局はAの思い通りになるのだ。
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「よ、どうだ?上手くやれてるか」
後ろから片手を上げて話しかけてきたのは、Aを未来から現在に送った人物だった。
「...うん。このままいけば、やれる。
黒虎を、殲滅出来る」
「そうか。お前がそんなにあれに執着するのも判らねえなあ」
「今じゃ大したことじゃなくても、子供にとっては忘れ難いことってあるでしょ」
そうなのかね、と彼が云って、暫く沈黙が続いた。そして次にまた口を開いたのはAだ。
話そうかどうか迷うような様子で、目を泳がせていた。軈て決心がついたのか、開いたり閉じたりしていた口をまた開く。
「ポートマフィアの首領に、嘘吐いたの」
「...何て?」
「異能力を聞かれたから、貴方の異能...時空操作だって」
眉を寄せて、申し訳なさそうに目を逸らして云う。
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作者名:みるくてぃー | 作成日時:2019年9月8日 13時