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空白が二十六。 ページ27
「んなことはどうでもいい。院長の娘、なんでここに来た？」
「その院長の娘っての辞めてくれない？今はもう関係ないでしょ」
Aは呆れたように返すが、彼の態度が変わることはなかった。Aも判ってはいたのだが、云わずにはいられなかったのだ。
早く本題を話せとばかりに無言で見詰めてくる...否、睨んでくる彼に、どう話すか頭の中で整理する。
そして、
「中島敦を殺したい」
「理由なんてそれ以外にある？」
はっきりと、彼に云った。彼は目を見開いたが、それはどう云うことなのだろうか。
「...お前がか？」
「そうだけど」
まだ疑う彼に、Aは顔を顰めた。
「判った。着いてきて」
どうすれば信じてもらうかの策は、Aの中に一つだけあった。
彼の返事を待たずに踵を返す。向かったのは武装探偵社。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿...
「初めまして、中島敦さん」
「未来から貴方を殺しに来ました」
彼女が何気なく云い放った言葉は、探偵社を静まり返らせるのには十分過ぎた。
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作者名：みるくてぃー | 作成日時：2019年9月8日 13時
