【文豪ストレイドッグス】空白にもなり得ない世界の話。 (ページ18)

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空白が十七。ページ18

そこに書いてあったのは、知らない組織が幾つか。それと、

「黒虎...？」

この組織が目に止まった。

あの日、軍警を抜けたあの日、Aとその部下は謎の組織を追っていた。

組織の名前も謎だった。でも、中也に殺されていたあの人達が『黒虎』のメンバーだとしたら。

「何故、殺したんだろう」

中也が殺すのは、屹度ポートマフィアの為だ。ポートマフィアに入ってあの人と関わってきたけれど、無駄な殺しはしない人間だと踏んでいる。

ポートマフィアという組織の邪魔になるようなことをしたから、と考えるのが一般的だ。

考えていると、無線機からまた声が聞こえた。

『すみ...せ...Aさ...ボス...逃...て、ガガｯ』

随分と電波が悪いのか途切れ途切れにしか聞こえない声を頼りにメッセージを聞き取ろうとするが、中々判らない。

だが、相当焦っていることだけは判った。其方に向かおうと紙を置くと、資料室の扉が開いた。

銀でも樋口でもない。となれば此処の人しか考えられない。

「...勝手に資料を見たことは御免なさい。でもその事じゃないのなら貴方は怒る資格はないと思いますが。」