空白が十三。 ページ14
「中也君」
「なんでしょうか、首領」
「初めてあの子と出会った時、どんな容姿だった?」
「容姿...ですか。長い茶髪に、スーツでした」
「...軍警の制服ではなかった、と」
「はい。なので軍警か聞いたんですが、もうそこにいる意味は無い、と答えていました」
「...成程。あの子の
「承知しました」
と或るマフィア二人の会話に、深刻さは無かった。まるで日常茶飯事とでも云うような雰囲気で、話していた。
それから一ヶ月。Aは完全に芥川率いる遊撃隊に馴染んでいた。
元々人の懐に入るのが上手いことは自覚していたが、自分の中にあったマフィアのイメージがガラリと変わってしまった。
「あ、Aさん。今度の任務なんですが、潜入らしくてですね」
後ろから聞こえたのは女性にしては低めの声。振り返れば整った顔のすぐ横に光る金髪が揺れている。
Aは樋口とすっかり仲良くなっていた。警戒を解くまでが長かったが、解いてしまえば懐いてくれる。
「樋口さんと私だけですか?」
「いえ、潜入に向いている銀は同行します。三人でらしいですが、大丈夫なんですかね...」
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作者名:みるくてぃー | 作成日時:2019年9月8日 13時