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四十二話 ページ42

それから子供達と色々な話をした。洋食屋のおじさんは咖哩ばかりで飽きるとか、皆の将来の夢の話とか、この短い時間で皆の性格がよく判った。




「何か、外が騒がしくない?」




騒がしいと云うのも、車の音が粗だった。外を覗くと、何台かが走っている普通の風景。だと思っていた。

一台の車が、此方に向かっていたのだ。苔色の小型のバスだった。


様子が可笑しいと悟った私は、子供達を部屋に残して、ふらふらとした足取りで下の階に向かう。




「何、...っ!!」




扉を私が開くのと同時に、武装した人が入ってくる。恐らくミミックだ。

反射的に銃を抜いて、撃ち込む。何発かは避けられて、何発かは防弾ベストによって防がれた。

こんな足じゃ真面に戦うことも出来ない。私は、子供達を守ることさえも叶わない。




「離せ...っ!」




男に掴まれた腕を払い除けようとするが、邪魔だとでも云うように投げ飛ばされた。

ガシャン、と喧しい音が鳴り響いて、置いてあった椅子や机が倒れる。


階段を上がっていく男を止めることは出来ない。それなら、




私は粗四つん這いになって男の腰を目掛けて手を伸ばした。

男は気付いていない。


数秒後、「灰色の幽霊(グラオガイスト)」と呼ばれる旧式拳銃は、私の手にあった。

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みるくてぃー(プロフ) - りーこさん» コメント有難うございます!面白いと言って頂けて光栄です...頑張ります! (2019年10月8日 22時) (レス) id: 7b7340be6b (このIDを非表示/違反報告)
りーこ(プロフ) - コメント失礼します。織田作が出てくる小説を初めて読みましたが面白かったのでこれからも更新頑張ってください。お気に入り登録しておきます。 (2019年10月8日 20時) (レス) id: 84cbb07a27 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みるくてぃー | 作成日時:2019年10月3日 0時

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