四十話 ページ40
織田作が出ていった後、私は部下に松葉杖を用意させた。
安静と云われたにも関わらず、私は歩こうとしていた。
「...Aさん？」
松葉杖で遅く亀のように歩いてる途中で、太宰君と会った。
怪我の状態は知っているらしく、驚いたような顔をした。
「その怪我で何処に」
「...私にしか出来ないことがあるの。それも、今じゃないと」
それだけ云って、その場を離れようとまた松葉杖を床につく。太宰君は深く息を吐いて、ゆっくり此方を向いた。
「流石と云うべきか...似てるよ、織田作と」
「私が織田作と？...有り得ない」
「あの人は、私に持ってないものを全部持ってる」
云い捨てるように、太宰君の方を振り向かずにそのまま去った。
「そう云うとこだよ、もう」
「そっくりだ」
私が去った後に、呆れたようにそんなことを云っているとは知らずに。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
「何かAさんと織田作は似てるよねえ、恋仲だから？」
「いや、そんなことはないだろう」
「Aは俺にないものを全て持ち合わせているからな」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 99人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みるくてぃー(プロフ) - りーこさん» コメント有難うございます！面白いと言って頂けて光栄です...頑張ります！ (2019年10月8日 22時) (
レス) id: 7b7340be6b (このIDを非表示/違反報告)
りーこ(プロフ) - コメント失礼します。織田作が出てくる小説を初めて読みましたが面白かったのでこれからも更新頑張ってください。お気に入り登録しておきます。 (2019年10月8日 20時) (レス) id: 84cbb07a27 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：みるくてぃー | 作成日時：2019年10月3日 0時
