三十九話 ページ39
目を覚ました。そこはやっと安心が出来る場所だった。
隣の部屋から話し声が聞こえる。
「幹部補佐のAさんが、織田作を此処まで運んで来たんだよ。...あの人も相当重症だったんだけど」
「...Aがか？」
「名前呼びなんて、随分と親しそうじゃないか、真逆恋仲？」
「そうだ」
「なんだ、そうなら云ってくれれば良かったのに」
何故云ってくれれば良かったのか、私には判らないが、そこで話を聴くのを一旦やめた。
余りにも足が痛んだからだ。無理もない。
折れた足で一人の男性を背負って長い距離歩いたのだ。もう使い物にならなくても可笑しくはないだろう。
軈て隣の部屋から織田作が出て行く音がした。その直ぐ後に、私の方の部屋の扉が開いた。
「A、いるか？」
「いるよ。この怪我で動けないから、何処にも行こうがないでしょ」
呆れたように笑って、織田作を迎え入れた私は、次の織田作の言葉を待っていた。
「...すまないな。俺を背負って此処迄来たんだろう」
「ううん、謝らないで。私なんかより織田作の方が戦力になるんだから」
私は更に笑って云う。この笑いは無理してる訳ではなく、何だか感情の緩みで自然に出てくる笑いだったと云える。
それも、これから起こるであろう悪夢の前触れだとでも云うように。
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みるくてぃー(プロフ) - りーこさん» コメント有難うございます！面白いと言って頂けて光栄です...頑張ります！ (2019年10月8日 22時) (
レス) id: 7b7340be6b (このIDを非表示/違反報告)
りーこ(プロフ) - コメント失礼します。織田作が出てくる小説を初めて読みましたが面白かったのでこれからも更新頑張ってください。お気に入り登録しておきます。 (2019年10月8日 20時) (レス) id: 84cbb07a27 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みるくてぃー | 作成日時：2019年10月3日 0時
