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三十七話 ページ37

二階に行くと、見覚えのある顔があった。




「織田作!あの人」




私が織田作の背中から指を差すと、織田作は判っていたかのように頷いた。

傍に寄ると、その人は歯を食いしばっていた。暫くして、その人は焦った様に口を開く。




「逃げてください、僕としたことが、しくじりました」


「...時限式爆弾のこと?上にあった」




私が知っている事に驚いていたが、軈て、そんな時間もないことに気付き、「そうです」とだけ云った。




「...事情は判らないけど、説明してる暇なんてないんでしょ?降ろして!」




織田作の背中から転がり落ちるように下りて、私は懐から使い慣れた拳銃を取り出し、その人の縄の近くで二発、続けて発泡した。

勢い良く前のめりになったその人と、また私を素早く抱いてくれた織田作と私とで、建物から追い出されるようにして吹き飛ばされた。




「二人共、無事か」


「ええ、何とか」


「大丈夫」




短く安否確認をして、それからは二人で話していた。

聞けば、坂口さんはミミックのスパイとして組織に潜入していたらしい。仕方ないと云えば仕方ないが、疑ったことに少し罪悪感を抱いた。




「あれは何です?」




私と織田作は同時に坂口さんの視線を追うと、下り坂を転がってくる手鞠が爆発の火に照らされていた。

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みるくてぃー(プロフ) - りーこさん» コメント有難うございます!面白いと言って頂けて光栄です...頑張ります! (2019年10月8日 22時) (レス) id: 7b7340be6b (このIDを非表示/違反報告)
りーこ(プロフ) - コメント失礼します。織田作が出てくる小説を初めて読みましたが面白かったのでこれからも更新頑張ってください。お気に入り登録しておきます。 (2019年10月8日 20時) (レス) id: 84cbb07a27 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みるくてぃー | 作成日時:2019年10月3日 0時

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