三十一話 ページ31
「貴方、ポートマフィア?」
「はい、仕事で此方に。」
必要以上話さないその人に少し不信感を覚えるが、私はこの人を言及出来るほど暇ではなかった。
それに、マフィアであれば幹部補佐の私に嘘を吐くなんて愚かなことはしないだろう。
もう一度お礼を云って、今度こそ部屋に向かった。
窓から見える夜景が綺麗だ。写真を撮ってすぐさま織田作にメールで送信した。
荷物を置いて夕餉を食べにまた下に行くと、微かに咖哩の香りが鼻腔を擽った。
「...ゔ...早くも織田作が恋しい...」
思い出したらもっと恋しくなる筈なのに、私は我慢出来ずにその香りについていってしまった。
その咖哩は少し辛くて、水を沢山貰った。
部屋に帰ってからもやらなければならないことはあったのだが、眠気に勝てず気絶したように寝たのが記憶の最後だ。
ホテルならではの淡いライトだけの薄暗い部屋で、一人は何だか寂しかった。
一人なんてことは今迄何度も経験してきた筈なのに、織田作と会ってから、一人じゃない事の幸せの味を占めてしまったようだ。
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みるくてぃー(プロフ) - りーこさん» コメント有難うございます!面白いと言って頂けて光栄です...頑張ります! (2019年10月8日 22時) (レス) id: 7b7340be6b (このIDを非表示/違反報告)
りーこ(プロフ) - コメント失礼します。織田作が出てくる小説を初めて読みましたが面白かったのでこれからも更新頑張ってください。お気に入り登録しておきます。 (2019年10月8日 20時) (レス) id: 84cbb07a27 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みるくてぃー | 作成日時:2019年10月3日 0時