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三十話 ページ30

「ねえ、A。俺まだAのこと好きだよ。今からやり直せるよ」


「...やり直せるって、一方的に貴方が私のこと好きだっただけ!私貴方のこと何にも知らないし、今は恋仲がいるって知ってるでしょ!?」




あの時の怒りも込めて、粗怒鳴るようにして私は彼を見上げて云った。

今ここで彼のことをどうとでも出来たが、成る可く泊まる場所で問題は起こしたくない。

彼はすっといきなり黙り込んで、




「判ったよ」




とだけ云った。諦めてくれたのかと安堵した一瞬が間違いだった。




「じゃあ今から教えてあげるよ、そんな奴より俺の方がいいって」




押し付けた手を離して、そのまま引っ張る。矢張り男と女の力の差は歴然で、ずるずると引き摺られる。




「痛ッ、やめ_」


「何をしてるんですか?」




もういっその事此奴をタコ殴りにしてやろうかと思った時だった。最終手段を考えたところで、救世主が現れたのだ。




「彼女、嫌がってますが。」


「あ?Aはちょっと怖いだけだ。今からそんな気持ち無くすから大丈夫だ」




全く持って何が大丈夫なのか判らないが、此奴の云ってる事が可笑しいのは確かだ。




「本当に、話が通じないのですね」




はあ、と呆れたように溜息を吐いて、其奴に近付く。何をするのかと思った瞬間、首目掛けて手刀を入れたのだ。

あっさり倒れる彼を見て、そして救世主の方を見る。




「有難う、ございます...」


「いえ。この位はやっても問題にはなりませんから大丈夫ですよ、幹部補佐」


「...え、」

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みるくてぃー(プロフ) - りーこさん» コメント有難うございます!面白いと言って頂けて光栄です...頑張ります! (2019年10月8日 22時) (レス) id: 7b7340be6b (このIDを非表示/違反報告)
りーこ(プロフ) - コメント失礼します。織田作が出てくる小説を初めて読みましたが面白かったのでこれからも更新頑張ってください。お気に入り登録しておきます。 (2019年10月8日 20時) (レス) id: 84cbb07a27 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みるくてぃー | 作成日時:2019年10月3日 0時

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