検索窓
今日:18 hit、昨日:2 hit、合計:36,133 hit

二十九話 ページ29

「あ...え...?」


「え、俺の事覚えてないの?酷いなぁ」




おどけたように笑うが、その笑みは怒ってるようにも見えた。




「高校の時付き合ってたじゃん」


「...は?」




思いもよらぬ言葉が出てきて、思わず自分から気の抜けたような声が出る。

高校の時のことを頭に巡らせるが、私は今まで恋人なんて出来たことは無かったし、織田作が初めてだった筈だ。




「真逆それも覚えてないの?嘘でしょ」


「本当に御免なさい、でも私今迄彼氏なんて...」




いなかった、と云おうとしたが、力任せに壁に押し付けられてその言葉は遮られた。

ギリギリと強い力で掴まれる手首の感覚、痛みで漸く思い出した。


此奴は、高校の時のストーカーだ。一方的に好きだと云っては毎晩電話掛けてきて、終いには帰りもずっとつけてきた。




「待って、違う!あの時貴方とは何の関係もなかったし、」


「は?」




彼の顔が般若みたいに歪んでいて、言葉に詰まる。恐怖で、汗が止まらなかった。




「知ってるよ、A。マフィアなんでしょ?それに、今他に付き合ってる恋仲もいる」


「織田作之助って奴。全部全部知ってる」




私より幾分か背の高い彼から見下ろされて、何も云えなくなる。それよりどうして織田作のことを知ってるのか。

真逆今でも...?その考えすら怖かった。

三十話→←二十八話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.6/10 (28 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
99人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

みるくてぃー(プロフ) - りーこさん» コメント有難うございます!面白いと言って頂けて光栄です...頑張ります! (2019年10月8日 22時) (レス) id: 7b7340be6b (このIDを非表示/違反報告)
りーこ(プロフ) - コメント失礼します。織田作が出てくる小説を初めて読みましたが面白かったのでこれからも更新頑張ってください。お気に入り登録しておきます。 (2019年10月8日 20時) (レス) id: 84cbb07a27 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:みるくてぃー | 作成日時:2019年10月3日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。