二十六話 ページ26
周りの歓声も静まってきた頃、私は静かに切り出した。
「あのね、織田作」
「私、仕事で海外にに行くの」
暫く沈黙の時間が続いた。そして、次に織田作の声。
「...いつからだ？」
「来週から。私一応幹部補佐だし、代わりはいないから」
別に引き留められている訳でもないのに付け足した。
織田作は焦ってはいなかったし、行かないでくれと縋る訳でもなかった。
気持ちは同じだと判っている筈なのに、それが今どうしても不安だった。だから云いたくなかったのだ。
「Aがいなくなるのは寂しい。それに今気持ちの疎通が出来たばかりだしな。...だが、不安じゃあない」
私ばかり不安で、どうしようもない。
「Aが必ず俺の元に帰ってくると信じているからだ」
それは、私の心を貫く程の信頼で、
こんなもの、云ってくれる人もしてくれる人もいなかった。
否、それでよかった。私にとって初めて、貴方と初めてこの感情を芽生えさせることが出来たこと。
「...有難う。直ぐに終わらせて帰ってくるから」
待っててね、とまた星空に目線を戻す。少しだけ、この仕事にやる気が出た気がする。
それも全部貴方のお陰なんだよ。
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みるくてぃー(プロフ) - りーこさん» コメント有難うございます！面白いと言って頂けて光栄です...頑張ります！ (2019年10月8日 22時) (
レス) id: 7b7340be6b (このIDを非表示/違反報告)
りーこ(プロフ) - コメント失礼します。織田作が出てくる小説を初めて読みましたが面白かったのでこれからも更新頑張ってください。お気に入り登録しておきます。 (2019年10月8日 20時) (レス) id: 84cbb07a27 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みるくてぃー | 作成日時：2019年10月3日 0時
