二十一話 ページ21
朝、ポートマフィア最上階に呼ばれた私は急いで上に向かっていた。任務報告だとかの話だと勝手に思い込んでいたが、実際はそうではなかった。
「長期任務...!?」
「うん、お願い出来るかな」
海外に、と付け足して森さんは云った。付け足したからと云って事実に対する驚愕が無くなるわけではないけれど。
「安全とは云い切れないけど、Aちゃんにしか頼めないんだよ」
そうお願いする森さんに、断れる訳がなかった。このポートマフィアにおいて、首領の命令を断ることなんて出来ない。
抑も森さんの私に対する態度も、私の森さんに対する態度もマフィアとは思えない程に違う。
森さんも私に「お願い」じゃなくて「命令」と云えばいいのに。
そんなことをだらだらいつまでも考えている内に、既に私は昇降機に乗り込んでいた。
行き成り云い渡された長期任務の話で、頭がついて行っていないのかもしれない。何時もは考えないようなことを考えてしまう。
織田作とも、暫く会えなくなる。
もう既に彼が恋しくて、私は長期任務なんて行って大丈夫なんだろうか。
その日はずっと長期任務のことを考えていた。行き先の伊太利亜を調べてみても、観光ばかり出てくる。
それに何だか気分が悪くなって、その日の仕事はあまり捗らなかった。
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みるくてぃー(プロフ) - りーこさん» コメント有難うございます!面白いと言って頂けて光栄です...頑張ります! (2019年10月8日 22時) (レス) id: 7b7340be6b (このIDを非表示/違反報告)
りーこ(プロフ) - コメント失礼します。織田作が出てくる小説を初めて読みましたが面白かったのでこれからも更新頑張ってください。お気に入り登録しておきます。 (2019年10月8日 20時) (レス) id: 84cbb07a27 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みるくてぃー | 作成日時:2019年10月3日 0時