検索窓
今日:1 hit、昨日:2 hit、合計:36,116 hit

十二話 ページ12

何時もは高く結い上げている髪を下ろすと、ふわふわしたウェーブのかかった髪が肩につく。

何度も鏡で自分の姿を確認して、忘れ物がないかもチェックした後、家を出た。


少し早めに着いた筈が、相手はもうそこにいた。




「すみません、待ちましたか?」


「まだ十分前じゃ。お主も律儀じゃのう」




そこには、普段着ている着物ではなく、大人っぽい洋服を身に纏う紅葉さんが立っていた。




「矢っ張り綺麗な人は何を着ても綺麗なんですね」


「その言葉は後でAにそっくりそのまま返してやろう」




紅葉さんの全身を見て褒めると、紅葉さんは上品に笑い、私にそう云った。

休日、私が紅葉さんにお願いをしたのだ。最近の流行りが判らないから、出掛ける時の服を選んで欲しい、と。


私のことを気に入ってくれている紅葉さんは嬉しそうにしながら「お主に似合うものを選んでやろう」と云って下さった。


そして今日がその日だ。先刻紅葉さんのファッションセンスを見せつけられた。

これから選んでもらうものに期待。




「それはそうとA」


「!はい」


「着飾ることに興味のなかったお主がそう云うということは、男か」




只、この場合の質問攻めは覚悟しておかなければならないだろう。

十三話→←十一話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.6/10 (28 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
99人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

みるくてぃー(プロフ) - りーこさん» コメント有難うございます!面白いと言って頂けて光栄です...頑張ります! (2019年10月8日 22時) (レス) id: 7b7340be6b (このIDを非表示/違反報告)
りーこ(プロフ) - コメント失礼します。織田作が出てくる小説を初めて読みましたが面白かったのでこれからも更新頑張ってください。お気に入り登録しておきます。 (2019年10月8日 20時) (レス) id: 84cbb07a27 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:みるくてぃー | 作成日時:2019年10月3日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。