放課後。七話 ページ7
「まだ帰ってなかったんだ」
「…保健室に居た故」
通称、保健室の貴公子こと芥川君は低い声でそう云ってまた咳をした。
怖い人かと思っていたけど、意外とそうでも無いのかもしれない。
そんなことを本人を見ないようにしながら考え、鞄を肩にかけてまた扉まで歩いて、何か一言云った方がいいのか迷う。
また明日、は使えないし、良い夏休みを?ううん、何て返せばいいか判らなくなってしまう。
と態とゆっくり歩いていると、ガタ、と音がした。振り返ると芥川君は立ち上がり、私より先に教室を出て言ってしまった。
「帰った、のかな」
それに続いて私も教室を出るが、出会して追いかけてきたと思われたら嫌なので曲がり角等で居ないか様子を伺いながら歩いた。
不審者と思われない程度に、さり気なく。
すると、トントン、と肩に感触がして思わずきゃっ、という甲高い声が出た。
「Aちゃん?御免、驚かせたね」
「…はぁ、太宰先輩か」
芥川君にアンテナを張っていたので、芥川君かと思って驚いただけだ。だから安堵の息が出てしまった。
「酷いなぁ。未だ帰らないの?」
「いえ、もう帰ります」
素っ気ない返事になってしまうのは、屹度今この瞬間に罪悪感を感じているから、早く会話を切り上げてその感情を消し去りたいのだ。
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みるくてぃー(プロフ) - レインさん» 何時も来て頂いて有難うございます!いい話だなんて...嬉しいです。(笑)また新作作ってるので、作ったらまた宜しくお願いしますね! (2019年8月5日 21時) (レス) id: 7b7340be6b (このIDを非表示/違反報告)
みるくてぃー(プロフ) - 雪菟さん» か、感動して貰えて光栄です!!こちらこそ読んで頂いて有難うございました! (2019年8月5日 21時) (レス) id: 7b7340be6b (このIDを非表示/違反報告)
レイン(プロフ) - 完結おめでとうございまずぅぅぅぅ!!!(号泣)めっちゃいい話でした!!!めっちゃ好きになりました!!!!もう、これ、あの、広まれぇぇぇ!!!(うるせぇ) (2019年8月5日 18時) (レス) id: f0b4214c85 (このIDを非表示/違反報告)
雪菟(プロフ) - 完結おめでとうございます!とても感動するお話をどうもありがとうございます! (2019年8月5日 17時) (レス) id: 93dfc2fd05 (このIDを非表示/違反報告)
みるくてぃー(プロフ) - レインさん» 新作にも来て頂いて、有難うございます!ストーリーを褒めて頂けるとめっちゃ嬉しいです、、!頑張ります! (2019年7月26日 19時) (レス) id: 7b7340be6b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みるくてぃー | 作成日時:2019年7月26日 8時