補習四日目。四十三話 ページ43
「っきゃっ!!」
衝撃と同時によろける。見ると私は解放されていて、護衛も倒れていた。
どうして護衛が倒されたのか判ったのは、芥川君がその脚を下ろしてからだ。
「芥川、君」
「…己の成すべき事を成せ」
芥川君が鋭い目で此方に向かって云う。それが彼なりの優しさなのだと、嬉しくなった。
怖い人なんだと思い込んでいた自分が莫迦みたいだ。
「…有難う」
太宰先輩がしめた、と笑い、手を伸ばして此方に差し出した。
私が思い切り立ち上がると同時に倒れていた護衛も見合い相手にぶつかるのも構わず、逃がすまいと焦って走る。
その距離数米。遠慮なく向かってくる護衛をするりと避けて、彼の所に走った。
「っ待ちなさい!!」
ぱしっ、と云う音を響かせて、私と太宰先輩の手が重なった。その侭二人で走り出して、バイクに跨る。
学校に残された太宰先輩の知り合いらしき人は、最後迄太宰先輩に文句を云っていたが、何時ものことらしい。
走り出した五月蝿くないバイクの音と、小さくなりゆく学校で騒ぐ母達の声だけが耳に響く。
そこに、何処かの祭りの花火が打ち上げられた。
「ねえ、太宰先輩」
「さっきの、私は青春捨ててなんかいませんよ」
不思議そうな顔をする太宰先輩に、満面の笑みで云う。
「これが私の、青春です」
太宰先輩がそれを聞いて呆気に取られ、そしてふふ、と柔らかく笑った。
「…そうだね」
これが私達二人の、青春だ。
また二発目の花火が打ち上げられる。あの夏祭りの時と、同じような花火だった。
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みるくてぃー(プロフ) - レインさん» 何時も来て頂いて有難うございます!いい話だなんて...嬉しいです。(笑)また新作作ってるので、作ったらまた宜しくお願いしますね! (2019年8月5日 21時) (レス) id: 7b7340be6b (このIDを非表示/違反報告)
みるくてぃー(プロフ) - 雪菟さん» か、感動して貰えて光栄です!!こちらこそ読んで頂いて有難うございました! (2019年8月5日 21時) (レス) id: 7b7340be6b (このIDを非表示/違反報告)
レイン(プロフ) - 完結おめでとうございまずぅぅぅぅ!!!(号泣)めっちゃいい話でした!!!めっちゃ好きになりました!!!!もう、これ、あの、広まれぇぇぇ!!!(うるせぇ) (2019年8月5日 18時) (レス) id: f0b4214c85 (このIDを非表示/違反報告)
雪菟(プロフ) - 完結おめでとうございます!とても感動するお話をどうもありがとうございます! (2019年8月5日 17時) (レス) id: 93dfc2fd05 (このIDを非表示/違反報告)
みるくてぃー(プロフ) - レインさん» 新作にも来て頂いて、有難うございます!ストーリーを褒めて頂けるとめっちゃ嬉しいです、、!頑張ります! (2019年7月26日 19時) (レス) id: 7b7340be6b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みるくてぃー | 作成日時:2019年7月26日 8時